骨董品の売却には税金がかかる?譲渡所得の計算や確定申告の必要性
公開日 2024/09/04
更新日 2024/11/07
骨董品はものによってはかなりの価値を持つものがあります。そこで、税金について気になっている方もいるのではないでしょうか。
「骨董品を売却した場合は税金がかかるの?」といった疑問を抱えている方のため、おさえておきたいポイントや課税の計算方法について解説します。
この記事を読むことによって骨董品を売却した場合の譲渡所得や確定申告に関すること、住民税や国民健康保険には影響するのかなどがわかるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
骨董品の売却を行った場合、基本的に課税対象となります。ですが、非課税の場合もあるので、それぞれどういった場合に該当するのか確認しておきましょう。
非課税になるのは、1点(または1組)の価額が30万円以下の場合です。こういったケースでは生活用有動産としての扱いになります。
生活用有動産とは生活に必要な動産のことであり、不動産以外の財産のことです。骨董品以外にも30万円以下の家具や書籍、安価な貴金属なども生活用動産に該当します。
売却した骨董品が課税の対象となるのは、1点(または1組)の価額が30万円を超えた場合です。30万円を超えた場合は生活用有動産として認められません。
1点(または1組)あたりの金額であるため、たとえば1点の価額が10万円の骨董品を5点売却して合計50万円になったとしても課税対象にはなりません。
関連記事:骨董品は減価償却できる?骨董品の勘定科目と経費計上について
1点(または1組)の価額が30万円以下の場合は非課税、それ以上は課税対象と紹介しました。ここでいう「価額」とは何を指すのでしょうか。
価額とは法律上の用語のことであり「客観的に見た場合の骨董品の価値」のことをいいます。課税対象か否かを判断するためには価額に注意しなければなりません。
例えば、35万円の価値がある骨董品を25万円で売却したとしましょう。この時「売却で得た金額は20万円なので非課税ではないか」と思ってしまいますが、骨董品としての価値(価額)は35万円です。そのため、例え25万円しか手元に入ってこなかったとしても、課税対象となります。
判断するポイントは買取価格ではないので注意しましょう。よくあるのが、価値のある品を友人に安く譲ってしまったようなケースです。こういった場合、金額によっては損をするので注意しましょう。
譲渡所得には、短期譲渡所得と、長期譲渡所得といった2種類があります。
短期に該当するのは、骨董品などの資産を取得してから売却するまでの所有期間が5年以内のケースです。一方、5年以上の場合は長期に該当します。
詳しくは後述しますが、税金を計算する際はこのどちらに該当するのかによって計算が大きく変わるので、注意しましょう。
関連記事:骨董品の相続税対策をするための評価方法や納税に役立つ情報について
続いて具体的な計算方法について解説していきます。
計算式は以下の通りとなります。
「譲渡価格-(所得費+譲渡費用)」
取得費というのは、骨董品を購入するのにかかった費用のことです。この費用の中には、骨董品自体の購入費用だけはなく、手数料、改良費、設備費などが含まれます。
改良費は、たとえば修復費用やクリーニング費用といったものです。
なお、たとえば故人の骨董品を譲り受けた場合など、取得にかかった費用がわからないこともあります。こういった場合は、譲渡金額の5%が取得価格とみなされるので、確認しておきましょう。
次に譲渡費用とは、その骨董品を売るためにかかった費用のことをいいます。買取業者に手数料を支払っている場合は手数料も含めましょう。各費用に関してはそれを証明するための見積書や領収書が必要なので、こちらも捨てずにとっておくことが大切です。
どの程度の税金が発生するのかについては、以下の式で求められます。
「短期譲渡所得金額+長期譲渡所得金額×1/2-50万円」
繰り返しになりますが、短期譲渡所得は資産を取得してから売却までの所有期間が5年以内、それ以上のものが長期譲渡所得です。長期譲渡所得に該当するものである場合は売却した金額の半分が課税対象になります。
そのため、売却する骨董品が長期と短期のどちらに該当するのかよく確認しておかなければなりません。
具体的に計算してみます。
例えば、同じ年に「40万円で購入した掛け軸を60万円で譲渡(3年間保有)」と「70万円で購入した絵画を100万円で譲渡(7年間保有)」したとしましょう。どちらも譲渡費用はかからなかったとします。
掛け軸は短期譲渡所得にあたり譲渡所得金額は「60万円-40万円=20万円」、絵画は長期譲渡所得にあたり譲渡所得金額は「100万円-70万円=30万円」です。計算式に当てはめてみると、特別控除を引く前の計算は「20万円+30万円×1/2=30万円」でした。
ですが、特別控除として50万円が引かれることになるので、こちらのケースだと税金はかかりません。
譲渡所得が発生した場合に注意しなければならないのが、確定申告に関することです。確定申告をしなかった場合は無申告加算税や延滞税が課せられてしまうことになります。
対して1箇所からしか給与を受け取っていない方の場合は、給与以外の所得の合計が20万円以上にならない限り確定申告の必要はありません。自営業の方や複数の企業から給与を受け取っている方に関しては、例えいくらであっても譲渡所得が発生していれば確定申告は必要になります。
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骨董品を売却したことにより所得が増えれば、その分、住民税や国民健康保険といったものの金額も高くなります。
これは、前年度の所得に応じる形で金額が変化するためです。保有していた骨董品が高額で売れた場合は、このあたりのこともよく理解しておきましょう。
税金が関係してくるのは骨董品が売れた場合の話です。まずは、どういった形で売却するのか考えましょう。
大きく分けると、店舗買取、宅配買取、出張買取といった3つの方法があります。
店舗買取は、売却したい骨董品を店舗に持ち込んで売却する方法です。その場で鑑定が行われますが、査定額に納得がいかなければもちろん売却を断ることもできます。
自分の車で運ぶ場合は、運んでいる間に破損しないように十分注意しましょう。
宅配便を利用した買取もあります。わざわざ店舗まで持ち込む必要もないので、時間がない方にも向いているでしょう。
ただ、丁寧に梱包をしなければならないこと、査定額に納得できず返送してもらう場合は返送手数料が発生する可能性があることといった点に注意が必要です。
鑑定士や買取業者のスタッフが骨董品の保管場所である自宅などを訪問する形で鑑定、金額に納得できればそのまま売却する方法です。
梱包する必要がなく、大きな骨董品でも依頼しやすいでしょう。車がなくて自分で持ち込むのが難しいといった方にも向いています。
ただし、中には査定額に納得できず断っても帰ってくれない、不当な安値で買い叩くといった悪質な業者もあるため、十分に注意が必要です。
関連記事:高価買取が期待できる遺品はどれ?おすすめの買取業者も紹介
いかがだったでしょうか。骨董品を売却した場合に発生する税金について解説しました。具体的な計算方法や金額などについてご理解いただけたかと思います。
特に高額売却できた場合は税金の額も高くなるため、事前に良く確認し、理解もしておきましょう。
骨董品の買取は美観堂までご相談ください。宅配・持ち込みでの買い取りや、写真での無料査定にも対応しています。売却に関して気になることがあればお気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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