香木の使い方を難易度とともに紹介
公開日 2024/03/12
更新日 2024/12/17
香木は、木に火をつけて香りを楽しむアイテムです。
お皿の上で焚いても問題ありませんが、焚き方を変えることで香りが変化し、楽しみ方も増えるでしょう。
本記事では、香木を最大限に楽しむために、香木の使い方をご紹介します。
最近人気を集めているパロサントの使い方についても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。
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目次
初心者・中級者の方向けに、香木の使い方をご紹介します。
それぞれ見ていきましょう。
空薫とは、香木を温めて香りを楽しむ方法です。
煙が出ないため、あらゆるシーンで利用できます。
空薫には、以下の道具が必要です。
箸でなくても炭が持てるようなものであれば、ピンセットでも問題ありません。
具体的な空薫の手順は以下の通りです。
手順 | 説明 |
香炉灰をかき混ぜ、表面をならす | 箸を使い、香炉灰は空気を含ませるようにしずかに混ぜ、表面が平らになるようにならす |
香炭に火をつける | チャッカマンで香炭の角に火をつけ、火が香炭全体にまわるのを待つ |
香炭を香炉灰に埋める | 香炭を半分ほど灰に埋める |
香炭の近くに香木を置く | 香炭の熱が届くくらいの距離に香木を置く |
香炭でゆっくり温められた香木の香りがふんわりと香ります。
香木のほか、お香や練香でも対応可能です。
銀葉とは、銀を薄くのばしたもので、空薫と同じように香木を温めて香りを楽しみます。
銀葉に必要な道具は以下の通りです。
銀葉以外は空薫と同じ道具があれば問題ありません。
具体的な銀葉の手順は以下の通りです。
手順 | 説明 |
香炉灰をかき混ぜ、穴をあける | 箸を使い、空気を含ませるようにしずかに香炉灰を混ぜ、香炭団が入るくらいの穴をあける |
香炭団に火をつける | チャッカマンで香炭団の角に火をつけ、火が香炭全体にまわるのを待つ |
香炭団を香炉灰に埋める | 香炭団を穴に入れ、山を作るようにして灰に埋める |
火窓を作る | 香炭団の上部と山の斜面の2箇所に穴をあける |
香炭団の上部の穴(火窓)に銀葉をのせる | 銀葉が水平になるように火窓の上に置く |
香木を銀葉の上にのせる | 火窓の上に来るように置く |
銀葉の上で香木がじっくり温められるため、優しい香りが漂います。
もっと香ってほしいときは、香炉の上に手をかぶせて香りを閉じ込めてから嗅ぐ方法がおすすめです。
電子香炉とは、電動で香木を温めてくれる機械です。
銀葉を利用するのがおすすめで、空薫と同じようにふんわり香る香木が楽しめます。
電子香炉に必要な道具は以下の通りです。
電子香炉は手軽に香木を楽しめるため、香炉灰の処理ができない人におすすめです。
具体的に、以下の手順で行います。
手順 | 説明 |
電子香炉を平らなところに置き、電源を入れる | 平らな机の上に置き、電源を入れる |
銀葉があればセットする | 電子香炉の熱が出るところに銀葉をセットする |
銀葉の上に香木を置く | 銀用の上に香木を置く |
電子香炉のメリットは温度の調整ができるところと、準備が簡単なことです。
火傷の心配もあるため、片付けの際は電源を切ってから銀葉を電子香炉から下ろすようにしましょう。
関連記事:香木とは?種類や買取相場とともに解説
上級者向けにおすすめな香木の使い方は「聞香」です。
聞香とは香木本来の香りを楽しむ方法で、香道で利用されます。
手順や必要な道具は以下の通りです。
手順 | 説明 |
香炉灰をかき混ぜ、穴をあける | 箸を使い、空気を含ませるようにしずかに香炉灰を混ぜ、香炭団が入るくらいの穴をあける |
香炭団に火をつける | チャッカマンで香炭団の角に火をつけ、火が香炭全体にまわるのを待つ |
香炭団を香炉灰に埋める | 香炭団を穴に入れ、山を作るようにして灰に埋める |
火窓を作る | 香炭団の上部と山の斜面の2箇所に穴をあける |
香炭団の上部の穴(火窓)に銀葉をのせる | 銀葉が水平になるように火窓の上に置く |
香木を銀葉の上にのせる | 火窓の上に来るように置く |
香炉を聞く | 香炉を片手で持ち、もう一方の手で香炉の上に屋根を作り、香気を貯めて香りを楽しむ |
このように、香りは「嗅ぐ」ではなく「聞く」と表現して楽しみます。
手順や道具は銀葉と同じですので、ぜひ一度試してみてください。
ここからは、人気を集めているパロサントについて、香りの特徴や主な効果をご紹介します。
パロサントは、南アメリカで収集できる香木です。
焚いても常温でも、以下のような香りを放ちます。
ウッディの落ち着いた芳醇な香りのなかに、レモンやミントのような酸味と甘さが混ざったような香りです。
また、フランキンセンスやミルラと香りが似ているという声もありました。
パロサントの主な効果は以下の通りです。
パロサントを聞くことで心身がリラックスできます。
さらに、空気を浄化してリフレッシュもできるでしょう。
柑橘系の果実に含まれるリモネンは、虫が嫌がる成分です。
パロサントにはリモネンが入っているため、虫除けの効果もあります。
また、昔は魔よけのために焚いていたそうです。
関連記事:香木の贋作と本物の見分け方
パロサントは、以下の方法で燃焼します。
煙は2〜3分程で落ち着きます。
煙が落ち着いたらネガティブな気持ちを吹き飛ばすように窓やドアを開けましょう。
もし、パロサントが燃えにくくなっているようであれば、日光が当たるところに数時間放置することで燃えやすくなります。
保管するときは、シリカゲルと一緒に保管するか風通しが良いところで保管しましょう。
パロサントは焚く以外に様々な使い方があります。
主に、以下の使い方がおすすめです。
パロサントはおしゃれな見た目から、受け皿に置いておくだけで立派なインテリアになります。
もし、香りが弱くなったと感じたら、先端を少し削ることで香りを復活させることも可能です。
また、パロサントは常温で香るため、布製の袋に入れておけば芳香剤として利用でき、クローゼットのなかに入れておくことで移り香も楽しめます。
パロサントには虫が苦手な成分が入っているため、虫除けとしても活躍するでしょう。
さらに、パロサントをチップにしてお風呂に浮かべたり、そのままお風呂に浮かべたりすることによってバスチップとして利用できます。
アレンジすれば様々な場面で利用できるため、おすすめのアイテムです。
香木の使い方について紹介しました。
香木は、焚く以外にも空薫や聞香など様々な使い方があります。
しかし、香木は貴重で高額なため、使うのを躊躇してしまう人も多いでしょう。
パロサントであれば、流通量も多く手に入りやすいため普段使いにおすすめです。
日常的に香木を楽しみたい人は、パロサントの利用も視野に入れてみてください。
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この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
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