コラム

掛け軸を処分したいと考えている方に向けて、掛け軸の捨て方について解説します。
亡くなった家族の遺品であったり保管場所に困ったり、掛け軸を捨てたいと思うシーンもあるでしょう。
掛け軸は燃やせるゴミとして出せますが、捨てるにはコツがあることも事実です。
そこで今回の記事では、掛け軸の捨て方について4つの方法を詳しくご紹介します。
また価値のある掛け軸の見分け方についても言及しているので、処分したいけれど価値が気になると思われている方の参考にもなるはずです。

掛け軸の捨て方

掛け軸の捨て方にはさまざまな方法があります。
単純に捨てるだけの方法もありますし、必要としている人に使ってもらうための方法も。
掛け軸を捨てたいと考えている方は、次の方法から最善の方法を選択してください。

掛け軸の捨て方1：買取専門店で買い取ってもらう

まずは買取専門店で買い取ってもらう方法です。
掛け軸の中には高い価値を持つものがあり、査定では100万円以上の価値がつくこともあります。
100万円以上の価値がつくかもしれないものを、みすみす捨ててしまうのはもったいないことです。
100万円をドブに捨てることと同じでしょう。
そのため捨てたいと思ったら、まずは買取専門店で査定を受けてみられることをおすすめします。
もしかすると大きな臨時収入になるかもしれません。
さらに買い取ってもらった掛け軸を他の人に買ってもらえたら、余分なゴミを増やさないことにもつながります。
地球環境を守るためにも、買取専門店で買い取ってもらうのはとても有効な方法です。

掛け軸の捨て方2：知人に譲る

知人に譲るのも方法のひとつです。
もし骨董品好きな知人がいるのであれば、無償で譲れると交渉してみてはいかがでしょうか。
骨董好きな方であれば喜んでもらえるはずですし、処分する手間も省け、幸せが広がります。
知人に譲るのであれば金銭的なやり取りは発生しないはずです。
ネットオークションやフリマアプリでのやり取りが手間だと感じる方にもおすすめの方法。
もし骨董好きな知人がいなければ、タウン誌や地元での譲渡を専門にしているサイトに頼ってもよいでしょう。
譲渡であれば知らない人であっても、その後の責任は生じないはずです。
ただいらなくなった掛け軸を渡すだけで良いので、それほどの手間もかかりません。
もし骨董好きな人が周囲にいるなら、無償で譲るのも方法です。

掛け軸の捨て方3：美術館へ寄贈する

価値の高い掛け軸であれば、美術館に寄贈する方法も考えられます。
歴史的価値のある掛け軸を見たいと思っている方は、多くいるはずです。
美術館に寄贈をすれば、多くの人に貴重な掛け軸を見てもらえるようになって人々に貢献できるでしょう。
NPO団体でも寄贈を受け付けていることがあります。
ただし美術館やNPO団体では、寄贈を受けるための条件が設定されていることも少なくありません。
作品によっては寄贈を受け付けてもらえないこともあるでしょう。
美術館に寄贈をしたいと考えたら、まずは寄贈を受け付けてもらえるかどうかを確認してください。

掛け軸の捨て方4：ゴミとして処分する

純粋に掛け軸の捨て方を知りたいと思われるなら、燃えるゴミとして処分するのがおすすめです。
掛け軸はどのような価値があったとしても、紙と布でできているもの。
そのまま指定ゴミ袋に入れて燃やせるゴミの日に出せば、処分は完了です。
ただし仏具である掛け軸は、「お根性抜き」と呼ばれる儀式をしなければなりません。
仏具には魂が宿っているとされるため、宿っていた魂を抜く処理が必要となるためです。
仏具以外の掛け軸であれば、そのまま分別して捨てられます。
軸先の中にプラスチックが入っている場合は、プラスチックだけ抜き取って燃えないゴミとして出してください。

仏壇内の掛け軸を処分する方法

仏具である掛け軸では、「お根性抜き」が必要であると先述しました。
一般的な掛け軸であれば魂が宿ることはないでしょう。
しかし仏壇の中に仏像の代わりとして設置しているなら、掛け軸の中に魂が宿っています。
それでは実際に仏壇の中にある掛け軸を処分するには、どのような処理をすればよいのでしょうか？
仏具としての掛け軸の捨て方について、3つの観点から解説します。

処分方法1：閉眼供養を行う

まずは閉眼供養についてです。
閉眼供養はお根性抜きと同じもので、仏具に宿ったとされる魂を抜くための儀式のことを指します。
掛け軸を仏壇にかけるまえに開眼供養を行い、仏具としての魂を宿らせます。
反対に仏壇から撤去する際には、魂を抜くための閉眼供養を行うのが習わしです。
供養を行うにはお寺に依頼をし、読経をしてもらわなければなりません。
読経をしてもらうことにより、掛け軸の中に宿った魂が抜け、一般的な紙と布で作られた掛け軸に戻ります。
魂が宿ったものをゴミとして処分するわけにはいきません。
必ず閉眼供養をして、ただの巻物に戻してからゴミとして捨てましょう。

処分方法2：お焚き上げを実施する

お焚き上げとは、お寺に依頼する掛け軸の捨て方です。
閉眼供養を行ったとしても、掛け軸を燃やせるゴミとして捨てるのは気がひける、と感じる方もいるのではないでしょうか。
もし燃やせるゴミとして出したくないなら、お寺に依頼してお焚き上げをしてもらってください。
お寺によっては閉眼供養とお焚き上げを、同時に依頼できることもあります。
しかし最近ではお焚き上げを行えないお寺も増えてきているのも事実。
理由は防災面で不安があること、環境への配慮ができないことにあります。
もしお焚き上げを断られたなら、次にご紹介する清め塩を使った掛け軸の捨て方を選んでください。

処分方法3：清め塩で清めて廃棄する

ご自宅で簡単にできる掛け軸の捨て方であるのが、塩で清めて廃棄する方法です。
掛け軸を真っ白な紙の上に置き、清め塩を巻いて包んでから燃やせるゴミに出す方法のことを指します。
紙の上に置いた掛け軸に対して、「左」「右」「左」の順番で清め塩を巻きましょう。
塩をまいたら白い布か紙に包みます。
生ゴミなどの一般的なゴミとはわけて、別の指定ゴミ袋に入れて燃やせるゴミの日に出したら終了です。
塩で清めているとは言え、やはりゴミとして処分していることに変わりはありません。
仏具として使われていた掛け軸などであれば、なおさらお焚き上げに出したほうが良いでしょう。
お寺でのお焚き上げを断られた際などに試したい方法です。

実は価値が高い掛け軸の見分け方

最後に価値が高い掛け軸の見分け方について見ていきましょう。

【価値の高い掛け軸の特徴】

• 名前の知られている作家が描いたもの
• 中国で制作された掛け軸

掛け軸は価値がないような作品に見えたとしても、100万円を超える価格がつくこともあります。
価値があるかどうかを判別するためのポイントは2つです。
名前が知られている作家が描いたものであれば、ほぼ確実に価値が高いでしょう。
また、掛け軸は一般的に中国で制作されたもののほうが価値は高いとされています。
中国で作られた掛け軸であれば、意外なほどの価格がつくかもしれません。
ただし掛け軸の知識が少ない方であれば、有名作家のものであるのか、中国で作られたものなのか、判別できないはずです。
詳しい方であれば、掛け軸にて高い評価を得ている作家の名前を知っていることもあるでしょう。
しかし美術品愛好家の間だけで人気な作家もいるため、一般的な知識だけでは対応できないこともあります。
マニアの方にだけ人気の作家がいることも事実です。
掛け軸を見ていると「よくわからない画や書が書かれているだけ」と感じることも多いでしょう。
そのため価格が高い掛け軸を見分けたいなら、骨董品買取の専門業者で査定してもらうことをおすすめします。

掛け軸の捨て方は価値を把握してから選んで

いかがでしたでしょうか？
この記事を読んでいただくことで、掛け軸の捨て方についてご理解いただけたと思います。
掛け軸を捨てる方法はさまざまにあります。
しかし中には100万円を超える作品もあるかもしれず、ただ燃やせるゴミに捨ててしまうのはもったいないことでしょう。
「美観堂」では専門のスタッフが掛け軸をはじめとする骨董品を、丁寧に鑑定いたしております。
美術品専門のオークションにも参加しておりますので、その分、高価買取を目指しているところも特徴です。
掛け軸を捨てたい、処分したいと思われているなら、その前に、美観堂まで掛け軸ぜひをお持ちください。
買取させていただきます。