骨董品の贈与税を活用したい!相続よりおすすめの理由とは
公開日 2025/02/21
更新日 2025/02/28
骨董品は歴史的・芸術的価値が高く、時には大きな金銭的価値を持ちます。
しかし、相続により受け継ぐ際は相続税が発生する可能性があり、円滑な資産移転の妨げとなることがあります。そこで注目されるのが生前贈与の活用です。贈与税と相続税は同じ財産移転の場面で課される税金ですが、それぞれの制度を上手に使い分ければ、家族への負担を減らすことが可能です。
この記事では、骨董品にかかる相続税の概要や、生前贈与のメリット、そして贈与税を有効活用するためのポイントを解説します。
目次
骨董品や美術品は、高い評価額がつく場合があります。そのため相続時には、相続税が課されることがあります。具体的には、骨董品の「時価」が相続税の評価額の基準とされるのが一般的です。
ただし、骨董品の評価は不動産や株式と比べて実績が少なく、専門家の鑑定が必要になることも少なくありません。 骨董品の相続税評価額は、主に「売買実例価格」か「精通者意見価格」によって算定されます。売買の事例がある場合には市場価格を参考にし、そうでなければ鑑定士や美術商などの専門家による査定結果が重視されます。希少価値が高い骨董品ほど、評価額が大きくなり相続税が高くなる可能性があるため、早めに対策を検討することが重要です。
骨董品の相続税負担が大きくなると想定される場合、生前贈与の活用を検討すると効果的です。生前贈与とは、生きている間に財産を受贈者(贈られる側)へ移転し、贈与税を納める手法です。一見、相続税よりも贈与税の税率が高いイメージを持つ方もいますが、贈与には暦年課税の非課税枠(年間110万円の基礎控除)など、うまく活用できる制度があります。 財産を複数年に分けて贈与することで相続税よりも総合的な税負担を抑えられる可能性があるため、特に価値の高い骨董品をお持ちの場合は早めに検討するのが望ましいです。
相続税は、被相続人が亡くなった時点で有していた財産を相続人が受け継いだ場合に課される税金です。一方、贈与税は、個人が生きている間に贈与という形で財産を譲り渡した場合に発生します。いずれも財産移転に課される税金ですが、大きな違いとして、贈与税のほうが税率は高く設計されている点が挙げられます。 とはいえ、贈与には1年間110万円の基礎控除があり、複数年にわたって贈与することで合計の税負担を抑えることが可能です。また、相続開始前3年以内の贈与分は相続税の課税対象に含まれるため、計画的に生前贈与を行う必要があります。
骨董品を生前贈与する場合、相続と比較していくつかのメリットがあります。特に高額な骨董品を所有している方にとっては、対策を講じることで大きな税負担の軽減につながることもあるでしょう。
生前贈与を使う最大の目的は、相続税の課税対象となる財産を事前に減らすことです。骨董品を贈与することで、被相続人(贈与者)の死亡時点での財産評価額を抑え、相続税の課税額を下げることが期待できます。暦年贈与の基礎控除を利用すれば、毎年110万円までは税金がかからないため、複数年にわたる計画的な贈与が有利になります。
贈与を毎年行う場合、複数年にわたって非課税枠を活用できるため、減税の恩恵が累積しやすくなります。一度に多額を贈与すると高額な贈与税が課されるリスクがありますが、分割することで課税評価額を小刻みに抑えることができます。
税制は国の政策や経済状況に合わせて改正される可能性があります。将来的に相続税や贈与税の税率が上がったり、非課税枠が縮小されたりするリスクも否定できません。早めに生前贈与を行えば、現行制度のメリットを享受できるため、税負担を安定的にコントロールできます。
相続は被相続人が亡くなるタイミングで財産移転が強制的に発生します。一方、生前贈与は自分の意思で贈与時期を選べるため、体調や家族の状況を考慮しながら計画を立てることができます。骨董品の贈与も同様で、受贈者の趣味や保管環境を考慮しながらベストなタイミングを見極められます。
骨董品の生前贈与を行う際、効率的な税対策を実現するためにはいくつかのポイントを押さえておく必要があります。これらを理解しておくことで、贈与税と相続税を比較しながら最適な選択を行えるでしょう。
年間110万円までの基礎控除を受けられる暦年贈与を利用する場合、受贈者の数を増やすほど多額の財産を非課税枠内で移転できます。一人の受贈者に集中的に贈与するよりも、複数の子や孫などに分散するほうが総額の非課税枠が大きくなり、税負担を軽減しやすくなります。
暦年贈与は、1年間に110万円を超える贈与額に対して税金が課される仕組みです。逆にいえば、110万円以内であれば贈与税が発生しません。骨董品の評価額が高い場合でも、一部を分割して贈与すれば、数年にわたって非課税枠をフル活用できます。ただし、贈与の事実を明確に残すため、贈与契約書の作成や日付入りの受け渡し記録などを整備しておくことが大切です。
骨董品の価値は、将来的に上昇する可能性もあれば下落する可能性もあります。価値が上がりそうな財産から先に贈与しておけば、値上がり分が相続時の課税対象となるのを回避できます。骨董品の市場動向や作家の評価、希少性などを考慮しながら、価値が高まる見込みがあるものを優先する戦略も考えられます。
骨董品は相続税の評価額が高く算定されるケースも多く、家族が負担する税額が想定より膨らむリスクがあります。そこで生前贈与をうまく活用することで、相続時の財産総額を減らし、最終的な相続税の負担を抑えられる可能性があります。贈与税の基礎控除や暦年贈与の仕組みを活かし、必要に応じて専門家に鑑定や税務相談を行うことが大切です。
もし骨董品の査定や売却を検討されている場合は、美観堂にて専門的なアドバイスを受けることも選択肢の一つです。骨董品の正確な価値を把握したうえで、贈与や相続の対策を組み立てれば、円滑な資産移転を実現しやすくなるでしょう。
家族に負担をかけずに骨董品を次世代に引き継ぐため、今から計画的に行動を始めてはいかがでしょうか。
この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
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