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骨董品

骨董品は偽物に注意!取引すると詐欺罪に問われる可能性はある?

公開日 2024/09/03

更新日 2024/09/03

骨董品の売却を検討しているものの、それが本物であるかわからないと悩んでいる方もいるでしょう。この時に気になるのが、仮に偽物を売却してしまったとしたら、詐欺罪に問われるのか?ということです。

そこで「売却したいけれど偽物かもしれない」と悩んでいる方のため、詐欺罪にあたるのか解説していきます。この記事を読むことで骨董品を売却するにあたり注意したいことや、偽物の見極め方などがわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。

骨董品の偽物の定義

そもそも、偽物とはどういったもののことを言うのでしょうか。

美術品における偽物は贋作(がんさく)とも呼ばれ、偽物の美術品のことをいいます。ではなぜ贋作が作られるのかというと、これは、作者や年代を偽り、買い手を騙すためです。
騙すことを目的として作られていることもあって既存の作品やイメージといったものを模倣する形で作られているため、本物と見抜くことが非常に難しいといえます。

偽物の骨董品を制作するのは犯罪?

たとえば好きな芸術家がいて、その芸術家の作品を模して制作してみたいと考えることもあるはずです。こういった場合、似せて作ること自体が犯罪になることはありません。
ですが、それが騙すことを目的として作った贋作であり、本物だと偽ったり、偽物であることを伝えることなく売買を行ったりした場合は違法となる可能性が高いです。

ちなみに、中国の場合は政府が許可をしているケースに限り、偽物の制作や販売を行っても罪にはなりません。このことから偽物が多く出回っているのが現状です。

骨董品の偽物の売買は詐欺罪に問われるのか

その骨董品が偽物であることを知っていながら本物と偽って売買する場合は、詐欺罪に問われる可能性があります。

ここで重要になるのは、あくまで偽物であることを認識していたケースに限られるということです。詐欺罪に問われるのは、人を騙し、錯誤に陥れるような違法な行為を行ってしまった場合をいいます。

例えば、偽物であることを知っていながら「これは間違いなく本物」と言って売ったり、まるで本物に見えるように偽物の鑑定書を作成するなどして添えて売ったりした場合も詐欺罪と判断される可能性が高いです。

詐欺罪に問われないケース

骨董品の偽物を売買したとしても詐欺罪に問われないケースがあります。それは、該当の骨董品を本物だと信じていた場合です。
これは、本物であるという確証が持てなかったとしても売り手自身が信じている場合は詐欺罪にはなりません。

ただ、実際には偽物であることを知ってはいるものの、本物と偽って売ることもあるでしょう。そういった場合に売り手が詐欺を働いたことを証明するためには、売り手がその骨董品は偽物であることを知っていたことを証明しなければなりません。これは非常に難しいことです。

偽物だと知らずに骨董品を売却してしまったらどうなる?

近年はフリマアプリやオークションでも手軽に骨董品の売買ができるようになりました。骨董品収集を趣味にしている方の中には、自分が持っているコレクションを譲って欲しいといわれたことがある方もいるでしょう。
売買に応じた場合、自分が本物だと信じていて売却した骨董品が実は偽物だった場合、どのような扱いになるのか確認しておく必要があります。

こちらも自分が本物だと信じている売り手から購入した場合と同様のことがいえるでしょう。偽物だと知らずに売却してしまったわけなので、騙したわけではありません。
そのため、詐欺罪に問われる可能性は低いといえます。

ただ、中には本物であるという確信が持てない状態で売却してしまった方もいるでしょう。不安が残っているのであれば購入者に返品を依頼し、返金することも検討が必要です。
もし「偽物である可能性が出てきたため返品して欲しい、返金に応じる」と連絡しても相手がそれに応じない場合、仮に偽物だったとしても罪に問われる可能性は低くなります。

偽物の骨董品の買取価値

骨董品は、ものによっては偽物であったとしても価値が認められます。人を騙す目的で作られた贋作に関しては買取に対応していない買取店が多いのですが、作品そのものに価値がある場合は値がつくことも珍しくありません。

例えば、本物ではないものの歴史的な価値があるものや、作品として素晴らしいものなどです。骨董品の収集を行っている方の中にも、誰が作ったのかではなく、作品としての価値を何より重視している方もいます。
ただ、偽物の骨董品の買取価値については相場がはっきりとしないので何とも言えません。

骨董品が偽物かどうかを調べる方法

所有している骨董品を売りたいものの、それが本物かどうか確信を持ちかねている方もいるでしょう。偽物かどうか調べる方法として、以下のようなことが挙げられます。

ステップ①作者のサインや署名の記載の有無を調べる

作品の雰囲気から本物かどうかを見極めるのは非常に難しいことです。そこで、作者のサインや署名といったものがないか確認しましょう。
骨董品によってはサインや署名によって誰の作品なのか判断できるだけではなく、どの時期の作品なのか見極められるケースもあります。

もちろん、作者に似せたサインや署名である可能性もゼロではありませんが、必ず確認しておきたいポイントです。

ステップ②年代と品物の状態に矛盾がないかをチェックする

作者名がわかれば、その作者が活躍していた年代が見えてきます。年代と品物の状態に矛盾がないかも確認しておきましょう。
例えば、その作者が活躍していた時代では使われていなかった技法で作られている、その年代のものである割には新しいなどの矛盾です。

ステップ③使用されている素材を確認する

骨董品に使用されている素材も年代によって大きく変わります。例えば、象牙やヒスイといったもののほかに金や銀などが使われている骨董品も多くありますが、これらの素材は非常に高価なものです。そのため、贋作である場合はそれよりも安く調達できる素材が使われています。使われている素材が何なのか見極める事も偽物かどうか調べる上で重要です。

【種類別】偽物の骨董品の見分け方

骨董品の中でも特に偽物が出回りやすいものとして、掛け軸、絵画、茶道具が挙げられます。それぞれの偽物との見分け方のポイントを解説します。

掛け軸

掛け軸が本物か見極める際の大きなポイントといえるのが、においです。掛け軸の表面の香りを確認し、インクのにおいがする場合は印刷された偽物である可能性が高くなります。
本物であれば墨が使われているので、わかりやすいポイントといえるでしょう。

次に、紙の質感も確認が必要です。印刷した掛け軸である場合は紙の表面がつるつるしているので、このあたりもよく見極めてみてください。
また、拡大鏡やルーペを用いてみると、印刷されたものは作品の濃淡が点で表されているのに対し、肉筆の場合は線で描かれています。このあたりは見極めが難しいポイントなので、自信がない場合は専門家や鑑定士に判断してもらいましょう。

絵画

絵画が本物かどうかを判断する際、よく注目したいのが作者のタッチとの違いです。本人以外が似せようと思っても細かい分で違いが見えてきます。
それから、作品に使われている絵の具やキャンバスがその絵画が作られたと思われる時代のものであるかも確認しましょう。

多くの絵画には作者の名前が記されているため、これが本物と同様かどうかも見極める際に注目したいポイントです。

茶道具

茶道具は、あまりにも形が美しく整いすぎているものは偽物である可能性があります。ろくろを使って作られることもあり、機械で作ったように完璧な形をしているものはあまりありません。
また、歪みや癖といったものは各作者の特徴であり、芸術の一部です。そのため、本当に手作業で作られたものなのかもしっかり見極めましょう。

表面に光沢感が強く表れているものも注意が必要です。茶道具は作られてから時間が経つほど光沢感を失っていくものです。もちろん、中には古く見えるように加工しているものもあるので光沢感がなければ本物であるとはいえませんが、よく確認しておきましょう。

骨董品の売り方

近年は個人でも気軽に骨董品の売買ができるようになりました。売り方としては以下のような方法があります。

骨董の市場にもっていく

骨董品が好きな人ほどその価値がわかり、高額であっても価値あるものにはお金を払おうとします。そのため、骨董品が好きな人が集まる骨董の市場に持っていくのも良いでしょう。
市場の規模によって集まる人数も変わるので、大きな規模のものほどより売れるチャンスがあります。

骨董品の買取専門店にもっていく

買取専門店に買い取りを依頼する方法もあります。通常のリサイクルショップなどではなく、骨董品の価値が分かる買取専門店に持って行きましょう。
骨董品に強い買取専門店では専門知識を持ったスタッフがいるので、価値を正しく判断してもらうことが可能です。ただし、査定士によって判断が異なる場合もあるため、納得できない場合は何店舗か買取専門店を回ってみると良いでしょう。

ネットオークションで買い手を探す

ネットオークションで思わぬ高値がつくことも珍しくありません。自宅から出品できるので、手軽に利用可能です。
ただし、個人で取引を行うことになるので、金銭面に関することや、本物か・偽物かといったトラブルに発展してしまう可能性があることに注意しなければなりません。

偽物の可能性がある場合は慎重に売却の検討が必要

いかがだったでしょうか。売却した骨董品が偽物だった場合、詐欺罪に問われてしまうのか、どういったことに注意すれば良いのかなどを解説しました。
本物かどうかの見極め方についてもご理解いただけたかと思います。

特に売却した骨董品が偽物だった場合、トラブルになりやすいのが個人対個人の取引です。本物である証拠がない場合はトラブルを避けるためにも買取専門店に依頼すると良いでしょう。

美観堂ではこれまで数多くの買取実績があり、専門的な知識を持った鑑定士や専門家が在籍しています。専門家のもと評価が可能なので、骨董品の買取なら美観堂にお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

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義村 安悟(よしむら あんご)

《経歴》

美観堂 大阪本店店長 査定歴15年

《コメント》

複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

《許可証》

古物商営業許可番号第62115R033266号



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