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有田焼の壺の買取相場は?高値で取引されている作品の特徴も解説

公開日 2024/10/10

更新日 2024/11/18

自宅の片付けなどで古い壺が見つかったけれど、価値があるのかわからなくて困っていませんか?お手元にある壺はもしかしたら有田焼の壺かもしれません。
有田焼は、見た目の華やかさから人気の高い陶磁器です。また、古くから海外へ輸出されていて日本だけでなく海外でも高く評価されています。
国内外で高い人気を誇る有田焼は、買取市場でも高値で取引されるケースが見られます。
お手元に古い壺があって買取を考えている場合には、一度鑑定してもらうといいかもしれません。この記事では、買取相場、高価買取される壺を見分ける方法、買取に出す際のポイントを紹介しています。ぜひ、参考にしてください。

有田焼とは?

有田焼は、佐賀県有田町を中心に作られている焼き物の総称です。白磁に赤色をはじめとした多様な彩色で染付が施されており、その見た目の美しさから人気のある陶磁器です。
1977年に経済産業省指定の伝統工芸品にも選ばれています。

有田焼の歴史は古く、約400年前に日本で初めて作られた磁器が有田焼といわれています。
1616年代、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、日本に多くの陶工を連れ帰ったことが始まりでした。日本に渡った陶工、李参平によって陶磁器の原料となる陶石が見つかり、磁器が作られるようになったのです。
有田町で作られた磁器は伊万里港へと運ばれ、海外にも輸出されるようになりました。
このように伊万里港から海外へ積み出されていたことから、有田焼は伊万里焼とも呼ばれています。

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有田焼の壺の買取相場

有田焼は、有名な作家の作品であればあるほど高く売れる傾向にあります。例えば、有田焼を代表する酒井田柿右衛門の作品は、高いものは100万円前後で買取されることもあります。その他にも井上萬二や今泉今右衛門などの有名な作家の壺は、高い価値が見出される可能性が高いです。
また、保存状態が良いものも高く売れる傾向にあります。有名な作家の有田焼で保存状態がよいものはより高い買取額になるでしょう。
また、古伊万里も国内外で人気があります。とくに伊万里焼が作られ始めたころのより古いものには高い価値が見出されるケースもあります。

有田焼は、有名な作家の作品や保存状態がよく古いものは高い値段で買い取られるといえるでしょう。

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高価買取される有田焼の壺を見分けるポイント

どのような有田焼の壺が高価買取されるのかわからない方も多いでしょう。ここでは高価買取される有田焼の壺かどうか見分けるポイントをお伝えします。
もし該当するポイントが多い場合は、高価買取される可能性が高いといえます。お手元にある壺を確認してみると意外な価値が見つかるかもしれません。

古そうな作品か

有田焼に限らず陶器全般にいえますが、古そうな作品は、「高い価値がある作品」である可能性が全くないとは言い切れません。有名な作家の作品でなかったとしても、有田焼の古いものは美術品として価値があるものもあります。自分で価値がないものと決めつけてしまうと、思わぬ価値を見逃してしまうかもしれません。骨董品や古美術に詳しい鑑定士に依頼して価値や買取価格を鑑定してもらうと意外な価値がわかる可能性も十分あります。

作家物の有田焼か

作家物の有田焼かどうかは高価買取の大きなポイントです。作品を手がけた作家が有名な作家であるほどコレクターが多く、価値は高まる傾向にあります。
有名な作家の作品であるか見分けるポイントは、陶印の有無です。陶印とは作家のサインのようなもので、陶器の裏側によく見られます。
しかし、陶印がないから作家物ではないとは言い切れません。あえてサインを入れていない作品などもあります。自分で判断することが難しい場合には専門の鑑定士に鑑定を依頼すると間違いありません。

共箱が付属されているかどうか

共箱とは陶磁器などの作品を入れるために付いている木箱です。作家物の有田焼は共箱が付属している場合が多いです。また、共箱には作家名や作品名が記載されている場合も多く見られます。
しかし、墨書きが記載されていなくても、作家物の作品である可能性は全くないとはいえません。墨書きが時の経過とともに薄れて見えなくなっているケースも考えられます。
また、共箱がなくても作家物の有田焼の場合もあります。一度、専門の鑑定士に鑑定してもらうと本来の価値がわかるでしょう。

保存状態が良いかどうか

有田焼をはじめとした陶器の買取において、保存状態が良いかどうかは大きなポイントです。保存状態が良いと買取額はあがる傾向にあります。
有名な作家物の作品でも、作品にヒビや傷、デザインの欠け、割れがあると、価値は下がってしまうでしょう。そのため保存方法には十分気をつける必要があります。有田焼の作品は共箱やない場合には木箱に入れて保存しておくなど、直射日光や湿気の多い場所を避けて保管しておくのがおすすめです。傷などがつかないように買取まで大切に扱いましょう。

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有田焼の有名作家

有田焼の有名作家が作った壺は高い評価がされています。ここでは買取市場でも高い注目が集まっている有田焼の有名な作家を紹介します。

酒井田柿右衛門

酒井田柿右衛門は有田焼を語る上では外せない著名な作家です。江戸時代初期から15代にわたって受け継がれています。
初代柿右衛門は、日本で初めて上絵付けに成功し、濁手(にごしで)と呼ばれる乳白色の素地に赤や緑、黄、青などの多様な色彩で鮮やかに花鳥図を描く「柿右衛門式」を確立しました。
柿右衛門式の磁器は古くから海外にも輸出されています。ヨーロッパのマイセンで模倣品が作られたり、磁器の発祥地である中国の景徳にも影響を与えたといわれています。そして今もなお、海外にも柿右衛門の作品を愛するファンが数多く存在しています。
とくに十三代目、十四代目の作品は世界的にも有名で高い人気を誇っています。

井上萬二

井上萬二も有田焼の作家として有名です。人間国宝に認定されただけでなく紫綬褒章を受賞したこともあります。
井上萬二は、日本だけでなく、ドイツやハンガリーなどの展示会にも出品するなど海外にも活躍の場を広げています。
井上萬二の作品は、ろくろによる白磁の造形美を追求した作品に定評があります。
井上萬二の座右の銘は、「名陶無雑」で「よい焼き物には雑味や雑念がない」という意味です。この言葉からも仕事への熱意が伝わります。
特に、白磁丸形壺と呼ばれる白磁を際立たせる丸形の壺や、白磁瓜形壺と呼ばれる丸い壺に線を入れた壺は、井上萬二の代表作です。

今泉今右衛門

今泉今右衛門は、有田焼の中でも、将軍家への献上品や大名への贈答品として作られた「鍋島焼」を指導していたことで有名です。
白磁に藍色で下絵を描き、赤・黄・緑の3色で上絵を描く「色鍋島」という技法を確立し、1977年には国の重要無形文化財にも指定されました。
現在でも、十四代目は、陶芸分野史上最年少で人間国宝に選ばれるなど高い評価を得ています。また、江戸時代の技法である「墨はじき(墨で模様を描く作風)」にヒントを得て「雪花墨はじき」という技法を生み出すなど精力的に作品を生み出しています。

奥川忠右衛門

奥川忠左衛門は、大正・昭和に活躍した作家です。
奥川忠左衛門の作品は、蹴ろくろを使った大型の白磁作品を数多く作っています。華やかな作品で知られる有田焼とは異なりシンプルな作品が特徴です。

その高い技術は、有田白磁の大物ろくろ造りの至宝とうたわれ、国の重要無形文化財にも指定されています。現在は、息子である二代目が高い技術を受け継いでいます。

関連記事:海外でも有名な日本の骨董品と骨董品作家を紹介

有田焼の壺を買取に出す際のポイント

お手元にある有田焼を買取に出すならできるだけ高く売りたいと考える人は多いでしょう。ここではできるだけ高く買い取ってもらうためのポイントをお伝えします。

熟練の鑑定士に依頼する

有田焼を買取に出す場合には、熟練の鑑定士に依頼するのがおすすめです。骨董品や古美術の鑑定は、専門の知識や経験がないとそのものの価値がわからずに適正な価格を判断できません。最悪の場合は適正な価格より低く鑑定されてしまう可能性もあります。
そのような事態を防ぐためにも、骨董品や古美術品を専門に扱うお店の鑑定士に依頼するようにしましょう。骨董品などを専門に扱うお店の鑑定士なら、専門の知識や経験に基づいて適切な価格を判断してくれます。とくに有田焼の鑑定の実績が豊富なお店を探すと、より安心して鑑定を任せられます。

複数業者で相見積もりをとる

買取に出す場合には、複数の業者に相見積もりをとるのもおすすめです。有田焼の買取額には店舗によって差が出ます。一社だけの見積りで買取を決めてしまうと、もっと高い値段で買取されたはずのものが、低く見積もられている場合は損をしてしまいます。
また、複数業者に見積りをとってもらうことで比べることもできます。中には店舗に持ち込むのは手間だと感じる方もいるかもしれません。電話やメールでの事前査定や一括査定を利用すれば、店舗に持ち込まなくても手軽に複数の業者から見積りをとれます。

関連記事:高価買取が期待できる遺品はどれ?おすすめの買取業者も紹介

できる限り早く買取に出す

保存状態が少しでも良い状態で出すと買取額が高くなります。有田焼は古い作品も多く、古い作品は高い値段で取引される可能性が十分あります。
たとえどんなに気をつけていても、長い間置いておくと経年劣化は避けられません。万が一、作品にヒビや割れ、デザインの欠けなどができてしまうと買取額に影響が出てしまいます。特に高額での買取を希望する場合には、保存状態が一番良い状態で出すのがおすすめです。

出張買取に出す

有田焼の壺は大きな作品も多く持ち運びに苦労するかもしれません。また、作品を持ち込む際に、万が一トラブルが起きて、作品にヒビや割れ、デザインの欠けなどが出来てしまった場合には買取額が下がってしまいます。作品を持ち運ぶ手間や壊れてしまうリスクを避けるためにも出張買取がおすすめです。
出張買取であれば鑑定士が家まで来てくれてその場で鑑定してくれます。価格に納得がいった場合には、買取もしてくれるので大幅に手間が省けるのもメリットです。

有田焼以外の高値での買取が期待できる陶磁器の種類

有田焼以外にも高値での買取が期待できる陶磁器の種類はたくさんあります。ここでは高値での買取が期待できる陶磁器をそれぞれ紹介します。

伊万里焼

伊万里焼は佐賀県有田市周辺で作られている焼き物です。有田焼は伊万里港から海外へ積み上げされていたことから伊万里焼とも呼ばれています。このように古くから外国にも輸出されている伊万里焼は海外でも高い人気があります。伊万里焼のなかでも、古伊万里(オールドイマリ)と呼ばれる長い年月を経た古い作品が重宝され高い値段がつけられています。

京焼

京焼とは、京都で作られている陶磁器です。京都には多くの窯元があり、粟田焼や音羽焼、八坂焼など窯元の所在地の名前で分けられています。清水焼もそのひとつでしたが、今では清水焼以外の窯元は廃れていき、今では京焼といえば清水焼を指す場合が多いです。
京焼は安価なものから高級品まで幅広くあります。京焼で有名な作家といえば野々村仁清(ののむらにんせい)や尾形乾山(おがたけんざん)などが挙げられ高い値がつけられることもあります。また、初期に作られた京焼や共箱がついているものは値段が高くつく可能性があります。

信楽焼

信楽焼は、滋賀県信楽市周辺で作られている陶器です。信楽焼は、信楽の良質な陶土を利用して作られており、茶陶として大きく発展し重宝されました。店舗でよく見かける狸の置物でもよく知られています。
古信楽とよばれる鎌倉から室町時代にかけて作られた信楽焼を「古信楽」といいます。古信楽は、古い琵琶湖層から採れた細かい石粒が使われていてより土の風合いが感じられます。その素朴な土の風合いと古いため数が少ないことから価値が高まっています。また、神崎紫峰(かんざきしほう)などの有名な作家の作品には高い価値がつきます。有名な作家物でなくても、保存状態がよいものや共箱がついているものは高い値段がつく場合もあります。

瀬戸焼

瀬戸焼は、愛知県瀬戸市で作られる陶磁器です。瀬戸焼は歴史が長く日本6古窯の1つに数えられ、東日本を中心に広く流通した日本を代表する陶磁器です。一般的に陶磁器全般を指す言葉として「せともの」が使われるほど日本で広く知れ渡った焼き物です。
釉薬をかけて焼き上げる瀬戸焼は、強度があり実用性が高い食器として広まりました。また、瀬戸焼はこれといった特徴が挙げられないほど時代に合わせてその姿を変化させてきた陶磁器でもあります。
瀬戸焼の中でも加藤土師萌(かとうはじめ)といった人間国宝にも選ばれた作家の作品や室町時代以前に作られた「古瀬戸」とよばれる古い瀬戸焼は価値が高いとされています。

荻焼

萩焼は、山口県萩市で作られている焼き物です。萩焼は、絵付けのない素朴な焼き物で色味も白色や灰青色など素材を活かした色が多いです。浸透性が高いため表面の細かなヒビからお茶やお酒が入って色がかわるのが特徴です。このように使い込むことで変化する萩焼は「萩の七化け」とも言われます。長年使い込むことで深い味わいがにじみでる萩焼は茶道具としても親しまれてきました。わびさびが感じられ海外でも人気がある焼き物です。
坂倉新兵衛(さかくらしんべえ)や三輪休雪(みわきゅうせつ)などの作家物の萩焼には高い値段がつく傾向にあります。

美濃焼

美濃焼は、岐阜県のうち東濃地方の一部で作られている陶磁器です。美濃焼には様々な種類があり、国の伝統工芸品に選ばれているものだけでも15種類あります。
代表的なものとしては、志野、黄瀬戸、瀬戸黒、織部焼が挙げられます。なかでも、織部焼は、千利休の弟子であった古田織部の指導によって作られ始めました。織部焼は奇抜で斬新な形や文様の作風が特徴で美濃焼の中でも異彩を放っています。
美濃焼の作家として有名なのは荒川豊蔵や加藤孝造などが人間国宝にも選ばれ高い評価を得ています。また、美濃焼の中でも安土桃山時代に茶の湯などに使われた「桃山陶」と呼ばれる陶器類は美術品として高い評価がされています。

備前焼

備前焼とは岡山県備前市で作られている焼き物です。日本六古窯の1つに数えられるなど歴史ある焼き物として知られています。釉薬を使わずに約1300℃で焼成して作られることで備前焼特有の丈夫さが生まれます。また、土の性質や窯への詰め方、窯の温度の変化などによって模様が変化します。そのためひとつとして同じ模様がでることはありません。茶褐色の素朴な風合いといい、使えば使うほど味が増していくといわれています。
備前焼の作家といえば、人間国宝に認定された藤原啓や金重陶陽(かねしげとうよう)、山本陶秀(やまもととうしゅう)などが挙げられます。このような有名な作家の作品は高い値段で取引されるでしょう。

九谷焼

九谷焼は、石川県金沢市、小松市、加賀市、能美市で作られている磁器です。
白磁に黒で線を描き、赤・緑・黄・紫・紺青の5色の絵具を厚く盛り上げながら塗っていく独特の手法で描かれています。絵柄は山水、花鳥といった力強い絵で装飾の美しさが際立っています。明治時代にウィーン万博に出展され、「ジャパン・クタニ」として一気に海外にも知られるようになりました。
骨董品として重宝される九谷焼は、新しいものより古いものの方が価値が高い傾向にあります。江戸時代に作られた九谷焼は、古九谷と呼ばれ高い価値がついています。最近の作品でも吉田美統(よしたみのり)や徳田八十吉などの有名な作家の作品も高値で取引されています。

関連記事:九谷焼の壺の買取相場を高く売るためのコツとともに解説

保存状態が良い作家物の有田焼は高値で取引される

有田焼はその華やかな見た目から国内外で人気のある陶磁器です。とくに有名な作家の作品であれば高い値段で取引されます。有名な作家の有田焼ではなくても保存状態がよいものは美術品としての価値があるケースもあります。
また、有田焼ではなかったとしても、高く売れる陶磁器はほかにもあります。もし買取を考えている場合には一度鑑定してもらうのがよいでしょう。お手元の壺の本当の価値がわかるかもしれません。

骨董品の買取なら美観堂にお任せください!骨董品や陶器、掛け軸など幅広い品目の買取が可能です。買取の際は、持込買取のほか宅配買取、出張買取も行っています。豊富な実績のもと、スタッフ一同、お客様への丁寧な対応と高価買取に努めています。買取の際はお気軽にご相談ください。

この記事の監修者

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義村 安悟(よしむら あんご)

《経歴》

美観堂 大阪本店店長 査定歴15年

《コメント》

複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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古物商営業許可番号第62115R033266号



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