高く売れる骨董品とは?売却で意識したい7つのコツと6つの注意点
公開日 2024/09/04
更新日 2024/09/04
骨董品とは、歴史的または希少な価値をもつ美術品や工芸品、家具などの総称です。
西洋の骨董品は「アンティーク」と呼ばれて区別される場合がありますが、古い時代のアイテムという意味で共通しています。
骨董品の売却を考えるときには、高く売れるものを中心に保存状態を確認し、いくつかの売却先を検討しましょう。
この記事では、高く売れる骨董品の種類と価値が決まる基準、高く売るための方法について取り上げています。品物の保管方法や売却時の注意点についても紹介しています。
目次
高く売れる可能性が高い骨董品は、次の4点です。
骨董品は、歴史的な価値や作者の知名度、市場での流通量に応じて価値が変わります。
それぞれのアイテムの特徴をみていきましょう。
掛け軸は書画を軸で飾り、和室や床の間にかけられるように仕上げたものです。
書画は毛筆による書・仏画・日本画・水墨画といくつかの種類があります。著名な作家による作品は骨董商や専門家からの需要も期待できるでしょう。
売却価格は数万円〜数百万円と幅があり、保存状態によっては価格がつかないケースもあります。なかには数千万円を超える貴重な作品も存在しています。
彫刻や美術品は、卓上や棚の上、または庭や広い場所に立てて観賞する作品です。
精巧に作られた模造品も多く出回っていますが、木材・石材・象牙・水晶・サンゴと幅広い素材が彫刻作品として存在しています。国内外を問わず、著名な作家の作品は高額で取引されています。
絵画や工芸品のような美術品も、彫刻と同様に著名な作家や画家の作品を中心に、高値での取引が行われています。
陶磁器とは、陶器・磁器・炻器(せっき)・土器の総称で、焼き物全般を指す言葉です。
日本では国内外に多くのメーカーが存在し、「名陶」と呼ばれる著名な作品は高値で取引されています。日本では海外製の陶器や食器も人気が高く、高価買取の対象となっています。
著名な作家が手掛けた作品や有名ブランドの作品は新旧を問わず高値がつきますが、古い時代の希少な作品はさらに高額での買取が期待できるでしょう。
西洋アンティークとは、西ヨーロッパ地域で制作・使用された工芸品・民芸品・家具・宝飾品・食器類・オブジェなどの雑貨の総称です。
色彩が豊かなものや細かい彫刻・デザインが施されたものが人気ですが、貴族などの上流層が使用していたこだわりの品物も取引されています。イスやテーブルのセット、重さのあるキャビネットなどもコレクターズアイテムとして知られています。
壺は、観賞用や花瓶・水瓶として使われてきたアイテムで、焼き物の一種です。
制作年や生産国、作家・メーカーの知名度によっては希少価値が高いと判断され、高額で取引される可能性があります。
食器などと同じく保存状態が重視されるため、割れや欠け、その他のシミや貫入(ヒビ)が入っていないものほど上質とされます。さまざまな情報から壺の価値を見極め、贋作とも見分ける必要があります。
骨董品の価値の決まり方は、素材や年代のほかにも作家の情報や市場の需要と供給が重視されます。それぞれのポイントをみていきましょう。
骨董品を見分ける方法の一つは、作家の作品であることを示したサインやマークの有無です。
刻印・銘(めい)・落款(らっかん)などといくつかの呼び名や方法があり、作品に直接作者がサインしているものもあります。サインが入っていれば、すでにある同一作者のサインと照らし合わせて真贋を確認できるので、サインが入っていることが一つの目安になります。
サインが入っていないものでも、正式な作品だとわかる証明書やカード、説明書きがあれば、鑑定や査定の参考にできます。
骨董品の真贋を確認するためには、「素材」の調査も一つの方法です。
たとえば、ドイツの伝統的な陶磁器ブランド「マイセン(MEISSEN)」は、硬質の磁器を制作するためにカオリンと呼ばれる原料を使用しています。自社の鉱山で採掘されたカオリンを使用していることから、高い品質を維持しようというこだわりが伺えます。
骨董品に限らず他の物品にも共通するポイントですが、安価な素材やメーカーがこだわりをもつ素材とは異なる素材が使われていると、真贋を大きく左右します。見た目に違いが出ることもあるため、鑑定で重視される部分です。
制作時期がわからない骨董品については、年代を推定または確定させて価値を判断します。骨董品は古く希少性の高いものほど高い価値をもつため、素材やデザインだけではなく年代も重要な判断基準になるのです。
骨董品自身の形状や色柄でおおよその時期が推定できる場合もありますが、付属品である箱や袋、その他の書きつけに時代や制作者が記載されている場合もあります。
一つでも時期がわかるものがあれば理想的ですが、一目では判断できないケースも多く、鑑定士の知識や経験が問われます。
骨董品の価値は需要と供給によっても決まります。たとえば、古い年代のアイテムでも大量生産されているもの(その当時誰もが手に入れられたもの)は、現代でも比較的簡単に手に入る可能性があるため、あまり高額にはならない可能性があるのです。
反対に、現代ではほぼ手に入らない時代のアイテムが良好な状態で見つかった場合には、市場で高い需要が期待できるために、高い価値がつきます。
保存状態が良好ではなくても、伝説的なアイテムや歴史にかかわる物品には高い付加価値があると判断されます。
骨董品を高く売るためには、7つのポイントを押さえておきましょう。
高額査定・高額買取を目指すには、どのようなポイントに注意すべきなのでしょうか。
骨董品は少なからず経年劣化をしているものですが、長く保管するほど劣化が進んでいきます。
社会情勢が変化して需要が減り、買い手がつきにくくなるといったケースも考えられるため、早めに売却を進めることも一つの方策といえます。
手入れは自分でできる範囲で、物品に直接傷や汚れをつけないように行いましょう。
指紋や手垢がついている場合や柔らかい布で乾拭きし、どうしても取れない汚れはそのままにしておきます。強力な洗剤を使うと変色や劣化の原因になるため、簡易的な手入れにとどめてください。
品物は通気性や調湿効果のある容器・箱に入れて、丁寧に取り扱いましょう。「慣れているから」と乱暴に扱ったり、床に直接置いたりするのは避けてください。
箱や袋、紐などの付属物は処分せず、一式を揃えておきましょう。すでに鑑定書や証明書がついている場合は、品物と一緒に書類も査定に出します。
商品は、売却に適した時期があります。市場で需要が高まっているときが一番のタイミングで、骨董品の場合はコレクターの動向や骨董品・美術品のイベントの開催、話題性などに左右されます。
その時々でトレンドが変わることも踏まえながら、売却時期を考えることが大切です。
一つひとつの骨董品を別の時期に査定していると、売却のタイミングを逃してしまう可能性があります。売りたいものはまとめて査定に出し、結果を踏まえて売却時期を品物ごとに見極めると良いでしょう。
相見積もりとは、複数の業者や店舗で査定を行い、見積もりを比較する方法です。
業者ごとに査定基準が異なるため、同じ品物でも査定額が変わる可能性があります。買取相場がわからないものは、まず査定を依頼して金額を確認し、見積もりを比較しながら検討しましょう。
骨董品の売り方は、買取専門店への持ち込み・出張買取・宅配買取の3つです。
買取専門店は、取り扱っているジャンルの品物を査定して買い取る業者・店舗です。
骨董品を専門に扱う業者もあります。骨董品について知識と経験をもつプロが鑑定や査定を行い、責任をもって買取まで行います。取引を自分で行う必要がないため、ネットオークションやフリーマーケットサイトで多くみられるトラブルの心配がありません。
出張買取とは、買取専門店が自宅や所定の場所に出張し、査定・買取を行うサービスです。
骨董品の数が多く持ち込めない、遠方に住んでいる、大きな骨董品があるといった場合は、出張買取が便利です。
宅配買取は、骨董品を買取業者に送付して査定を受け、買い取ってもらうサービスです。
事前に骨董品の種類や特徴を電話・メール・LINEなどで伝えて査定を受けます。査定結果を受けて合意すると、必要書類が送付されるので記入し、骨董品を梱包して必要書類とともに送付します。
ネットオークションは、インターネット上で行うオークションサービスです。落札されると落札者が買取を行いますが、個人間でのやり取りになるためトラブルに注意が必要です。
骨董品を高く売るために気をつけたい保管方法は次の3つです。
風雨や日光の影響を受けにくいと思える素材でも、経年劣化の影響を受けて鑑定や査定にマイナスの影響が出るおそれがあります。注意したいポイントを詳しくみていきましょう。
売却前の骨董品は、直射日光・湿気を避けて、急な温度や湿度の変化がない場所に保管しましょう。
直射日光や色の変化や質感の劣化を引き起こし、表面を乾燥させて劣化を早めます。直射日光だけではなく蛍光灯の光も色味の劣化を招くといわれていますので、光が強く当たる場所での保管は避けたいところです。
湿気はカビの発生原因となり、虫がわいたり表面のツヤや色が剥がれたりと、作品の外観そのものを損ねる原因になります。
骨董品を保管する際、こだわって選びたいものの一つが箱(容器)です。
売却前に品質が劣化すると鑑定や査定にとってはデメリットです。普段から日光や湿気を避けることはもちろんですが、品物を収めておく入れ物についても、調湿作用をもつ桐製の箱が良いといわれています。
段ボールも木としての性質をもつため調質作用はありますが、温度・湿度によっては強度が大きく劣化するおそれがあります。防虫効果があり強度が下がりにくい桐製の箱など、保存に適した容器を選びましょう。
汚れやその他の状態が気になるからといって、無理に手入れをしないように注意が必要です。
まず、品物を扱うときは素手で触らないようにします。手指には雑菌や水分、皮脂が付着しており、空気中を漂うホコリや花粉などの汚れがついている場合もあります。
手で骨董品に触るとこれらの汚れが付着し、皮脂や水分のあるところからカビやシミになってしまいます。品物の外観を大きく損ねる原因にもなるため、ビニール手袋をして汚れないように注意してください。
また、汚れが落ちないからと強力な洗剤を使ったり、力をかけてゴシゴシとこすったりすると汚損の原因になります。経年劣化以外の傷汚れを作らないように、品物の種類にあわせてメンテナンスを行うようにしてください。
骨董品を売るときの注意点は次の6つです。
基本的に骨董品を買い取ってくれる業者であれば、どの店舗にも持ち込みができます。
しかし、正しく鑑定を受けて査定結果も出したい場合には、以下のチェックポイントを踏まえて業者を選ぶことが大切です。
品物の価値を正しく見極めて評価するためには、専門の鑑定士やスタッフが在籍する店舗や業者に依頼しましょう。
その骨董品が本物か偽物か、制作された時代や市場での流通量、その他の希少性があるかについては、専門的な鑑定が必要です。特に、古い時代の作品ほど鑑定に専門的な知識や経験が求められるため、鑑定士や業者選びは慎重に進めましょう。
専門業者への依頼では、手数料に注意が必要です。手数料とは鑑定料・査定料・出張料・キャンセル料が該当します。
無料鑑定や無料査定の機会を利用すれば、費用をかけずに真贋を判断してもらえます。しかし、本格的な鑑定や鑑定書の発行、売却などに手数料がかかる場合は、どのサービスにいくらかかるのかを確認する必要があります。
業者のホームページやメール・電話による確認で手数料をチェックしてからサービスを申し込みましょう。
買取業者選びでは、ユーザーや利用者からの口コミが役に立ちます。実際にサービスを利用した人からの意見がチェックできるので、どのような点がおすすめで、何に注意すべきかがイメージできるでしょう。
まれに良いコメントしか書かれていない業者もみられますが、その場合は無料相談や無料査定といった機会を利用して直接コミュニケーションをとるか、電話やメールで対応を確認してください。
実際の査定では、汚損・傷・経年劣化の程度をチェックされます。
あまりにも損傷が激しく判別がつかないものは買取不可となり、査定が受けられない可能性もあります。しかし、歴史的に重要な作品であれば、鑑定や査定を行ってもらえる場合もあります。
どの程度の傷汚れがあるのかにもよりますが、査定が受けられるか気になる場合は事前に電話やメールで確認しておくと良いでしょう。
「器と絵画」「絵画とアンティーク家具」など、複数の骨董品がある場合は、それぞれの買取に強い業者を探して依頼することもできます。
品物をすべて同じ業者に買取依頼せず、少しでも査定額を高くつける可能性のある専門業者に依頼する方法です。
クーリングオフ制度とは、消費者庁が管轄する特定商取引法に定められている解約制度です。
一度契約が成立しても、所定の期間内であればキャンセルできるという内容で、契約書を受け取った日から数日以内と決められています。
骨董品の買取では、業者が買い取る際に契約書を取り交わします。契約を取り消したいときにはクーリングオフ制度を利用しますが、対応していない業者もあります。
事前に業者のホームページまたは問い合わせで、クーリングオフに関するポリシーを確認しておきましょう。
今回は、高く売れる骨董品の種類と価値基準、高く売るための方法や注意点を紹介しました。
古い時代の品物は種類を問わず保存状態が重視されます。カビ・汚れ・手垢・シミの有無と、付属品の有無や保存状態もチェックされます。
売却までは適切に保管する必要がありますが、保管が長くなるほど品物の経年劣化が進むため、早めに売却を検討してみてはいかがでしょうか。
骨董品の買取なら美観堂にお任せください。美観堂は、幅広い知識と豊富な経験を持つスタッフが丁寧に対応し、どんなお品物でも査定・出張費無料で鑑定いたします。査定額に納得いかない場合もキャンセル無料なので、お気軽にお問い合わせください。
この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
《許可証》
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美観堂買取
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