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掛軸

掛け軸の保管方法とは?正しい手入れの方法とともに解説

公開日 2024/07/31

更新日 2024/08/27

掛け軸は日本の伝統を象徴する芸術品であり、価値を保つためには適切な保管方法が欠かせません。環境や扱い方次第で、掛け軸の寿命は大きく左右されます。この記事では、掛け軸の正しい保管方法と手入れの仕方について詳しく解説します。掛け軸を所有する方、これから購入を検討される方、売却を検討される方は、ぜひ参考にしてください。

掛け軸の正しい保管方法とは

掛け軸は、繊細な美しさを長期間保持するために、正しい保管方法が必須です。日本の伝統的な美術品である掛け軸は、環境や扱い方によっては簡単に損傷することがあるため、特別な注意が必要です。ここでは、掛け軸を安全に保管し、価値を最大限に保つための具体的な手順を紹介します。

ホコリを落とす

掛け軸の保管は、最初にホコリを落とすことが大切です。柔らかいブラシを使用して、掛け軸の表面のホコリや小さな汚れを丁寧に払います。この作業は、掛け軸を傷めないように慎重に行う必要があります。ホコリが残っている状態で保管すると、時間が経つにつれて掛け軸の素材を劣化させてしまうかもしれません。また、ホコリを払った後は、掛け軸を和紙で優しく包み、湿気から守るために桐箱に収納することが推奨されています。桐箱は湿気を調節する効果が高く、掛け軸の繊細な素材を保護するのに適しています。

正しい巻き方でしまう

掛け軸を長期間にわたって美しく保つためには、正しい巻き方が大切です。掛け軸は繊細で、不適切な取り扱いが原因で損傷する恐れがあります。巻き始める前に、掛け軸が完全に乾燥していることを確認してください。湿った状態で巻くと、カビやシミの原因となってしまいます。巻く際には、掛け軸の中心部を軽く持ち上げ、均等に圧力を分散させながらゆっくりと巻いていきます。このとき、掛け軸の端が均一に揃うように注意し、紙や布に無理な力がかからないように注意しましょう。巻き終わったら、掛け軸を和紙で包み、湿気を吸収しやすい桐箱に保管します。この手順により、掛け軸は適切な状態で保管され、品質を長持ちさせられます。

晴れた日に行う

掛け軸の適切な保管には、天候が大きな役割を果たします。晴れた日に掛け軸の保管や整理を行うことは、湿気を最小限に抑えるために重要です。湿気は掛け軸の素材を損ない、カビや変色の原因となりかねません。そのため、保管する前の掛け軸は、低湿度であることが理想的です。晴れた日を選ぶことで、掛け軸に含まれる余分な湿気が自然に蒸発し、カビのリスクを軽減できます。また、保管時には桐箱を使用すると良いでしょう。桐は湿気調整の効果が高いため、掛け軸を最適な環境下で保つのに役立ちます。このようにして、掛け軸を適切に保管すれば、長期間にわたり美しさを保ちやすいです。

防虫香も一緒にしまう

掛け軸の長期保管において、防虫措置は欠かせません。虫害は掛け軸にとって大きな脅威となり得るため、防虫香の使用は効果的です。掛け軸専用の防虫香は、通常の衣類用防虫剤とは異なり、紙や布地にダメージを与えずに虫を寄せ付けないよう設計されています。この防虫香を掛け軸と一緒に桐箱に入れることで、虫害から掛け軸を守れます。ただし、直接掛け軸に触れないようにすることが重要です。適切な位置に置くことで、防虫香が発散する成分が均等に分散し、掛け軸全体を保護する効果を発揮します。この方法により、大切な掛け軸を虫害から確実に守り、長期間その価値を維持することが可能です。

年2回は虫干しを行う

掛け軸を適切に保管するためには、年に2回の虫干しを行うことが推奨されます。虫干しは、掛け軸に溜まった湿気を除去し、虫害を防ぐために重要です。虫干しを行う最適な時期は、湿度が比較的低い春と秋です。干す際には、掛け軸を優しく広げ、直射日光を避けた風通しの良い場所で行いましょう。エアコンの除湿機能を利用する場合でも、風が直接掛け軸に当たらないように注意が必要です。この定期的なお手入れにより、掛け軸は湿気やカビから保護され、長期にわたって価値を維持できます。

掛け軸を扱う際の注意点

掛け軸の正しい扱い方を知ることは、価値を長期にわたって保つために大切なことです。掛け軸は繊細で、取り扱いには細心の注意が必要です。ここでは、掛け軸を扱う際に注意すべき2つのポイントについて詳しく解説します。これらの注意点を守ることで、掛け軸を傷めることなく、美しい状態で保管できるようになるでしょう。

注意点①床で巻かない

掛け軸を保管する際には、床で巻くことは避けるべきです。この理由は主に2つあります。まず、床の汚れが掛け軸に付着するリスクがある点です。床からの汚れやほこりが掛け軸に移り、長期間の保管中に固定されてしまうと、見栄えが損なわれ、清掃が困難になる可能性があります。また、床で巻くことによって、不必要な力が掛け軸に加わり、紙や布が伸びたり、形が崩れてしまうかもしれません。これにより、掛け軸の寿命が縮まり、価値が低下する可能性があるため、常に清潔で平らな場所で慎重に巻くことが推奨されます。

注意点②強く締めない

掛け軸を保管する際には、強く締め過ぎないようにしましょう。掛け軸は主に薄い紙や絹で作られており、繊細な材質は過度な圧力に敏感です。強く締めることで、紙が折れたり、シワが入ったり、最悪の場合は破れてしまうかもしれません。さらに、締め付けが強いと、掛け軸の絵柄や文字にも悪影響を与え、美観や価値を著しく低下させる可能性があります。そのため、掛け軸を巻く際には、均等な力で優しく巻き、保管時も圧力が直接掛け軸に加わらないよう注意を払うことが必須です。このように適切に扱うことで、掛け軸は長期にわたり美しさを保てます。

掛け軸の正しい手入れの仕方

掛け軸の適切な手入れは、美しさと耐久性を長く保つために不可欠です。掛け軸は繊細で、紙や布が環境の変化に敏感です。まず、掛け軸を飾る際は直射日光や冷暖房の直接的な風が当たらない場所を選びましょう。湿度の変動が少なく、湿気が多すぎず乾燥もしすぎない環境が理想的です。また、掛け軸を飾るときには、壁から少し離して空気が流れるスペースを作ることが重要です。定期的に掛け軸を外し、軽く羽ばたきでホコリを払うことも忘れずに行いましょう。さらに、年に数回は掛け軸を完全に広げて、気温と湿度が適度な環境で日光にさらさずに風通しを良くすることで、湿気やカビの発生を防ぎます。

掛け軸の取り扱いは慎重に行いましょう

掛け軸は、適切な保管方法が不可欠です。掛け軸を美しく保つためには、ホコリを落とし、正しく巻き、湿気を避ける環境での保管が欠かせません。また、防虫対策として専用の防虫香を使用し、年に2回の虫干しを行うことが推奨されます。これらの手順を守ることで、掛け軸は価値を長く維持でき、次世代にも引き継がれる美術品としての魅力を保ち続けられます。
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この記事の監修者

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義村 安悟(よしむら あんご)

《経歴》

美観堂 大阪本店店長 査定歴15年

《コメント》

複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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古物商営業許可番号第62115R033266号



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