刀剣オークションの概要・種類と出品するメリット・デメリット
公開日 2025/04/18
更新日 2025/04/21
「実家の倉庫で保管している日本刀を刀剣オークションに出品したい」などと考えていませんか。詳細がわからず困っている方は多いでしょう。刀剣オークションは、日本刀などを扱うオークションです。一部は一般の方でも参加可能とされています。
ここでは、刀剣オークションの概要や種類を解説し、出品する際のメリット・デメリットについても紹介しています。刀剣の売却を検討している方は参考にしてください。
目次
刀、太刀などの武器を専門的に扱うオークションです。オークションは、最もよい条件を提示した参加者に、出品された商品の購入権を与える仕組みといえるでしょう。おもな刀剣オークションとして以下のものがあげられます。
【おもな刀剣オークション】
これらについて詳しく解説します。
プロを対象とする刀剣オークションです。全国刀剣商業協同組合や美術倶楽部などが開催しています。刀剣交換会は、競り売り形式と入札形式に分かれています。それぞれの特徴は以下のとおりです。
形式 | 特徴 |
競り売り形式 | 何度でも入札できる方式。最高値をつけた方が購入権を獲得。売主が価格に納得すれば売買成立。 |
入札形式 | 札に購入希望価格を書いて入札する方式(最低価格が決まっています)。最高値をつけた方が購入権を獲得。購入希望価格が売却希望価格に達していれば売買成立。 |
一般の方が出品したい場合は、参加資格のある業者に委託する必要があります。
おもに日本美術をオークション形式で売買するイベントです。特徴のひとつとして、カタログをもとに入札などを行うカタログ入札形式を採用していることがあげられます。
刀剣を出品したい場合は、原則として主催者に詳細情報と作品を送付しなければなりません。その後、最低入札価格を決めて、撮影、カタログ掲載を済ませてから、オークションが始まります。入札は、カタログに同梱されている入札用紙を使って行います。入札前に作品を展覧する下見会を開催する点がポイントです。
刀剣が落札された場合、原則として撮影料・保険料に加えて出品手数料やカタログ掲載料などの費用が発生します。
ネットオークションでも所持している刀剣を出品することが可能です。主なメリットは、誰でも手軽に出品できることです。基本的なルールを理解すれば、戸惑うことなく参加できるケースが多いでしょう。
ただし、売買には銃砲刀剣類登録証が必要です。また、刀剣の価値を正しく伝えられないと、適正な価格で売却できない恐れがあります。取引トラブルへの注意も求められます。手軽に出品できる一方で、内容理解が求められるため、経験者向けの傾向があります。
刀剣オークションに出品する主なメリットは次のとおりです。
メリットのひとつとして、多くの方に売却したい刀剣の存在を知ってもらえることがあげられます。買取店に持ち込む場合、その店舗でしか刀剣を紹介できません。需要を見込みにくいものは、価格をつけられないでしょう。
オークションに出品すれば、参加者に刀剣の存在を伝えられます。インターネットオークションであれば、数百人以上に情報が届くこともあります。間口を広げられるため、一般的に需要を見込みにくい刀剣であっても、購入希望者を見つけられることがあるでしょう。
業者による買取価格よりも高く落札されるケースがある点も特徴です。希少性の高いものや歴史的なものは、高値で落札される傾向があります。おもな理由は次のとおりです。
【高値で落札される理由】
他の参加者の入札価格を意識しなければならないため、人気が高いものは落札価格が上昇しやすいといえます。競争が過熱して、相場を超える価格になる例もあります。何度でも入札を繰り返せる競り売り形式では落札価格が上がる傾向があります。
刀剣オークションの出品には、デメリットもあります。出品前に以下の点を理解しておくことが大切です。
オークションに出品しても、希望価格で落札される保証はありません。最低落札価格や希望落札価格に達せず、取引が成立しないこともあります。あるいは、想定を下回る価格で取引しなければならないこともあるでしょう。詳細不明のもの、真贋不明のものなどは、オークションに出品しても入札を避けられる傾向があります。落札価格が高騰する刀剣は、それほど多くありません。価値を冷静に見極めることが大切です。
刀剣の価値を適切に伝えることが難しい点も、出品時の課題のひとつです。鑑定を受けていない刀剣の評価は、出品者の説明と落札希望者の判断に委ねられることになります。落札希望者が知りたいポイントを説明できないと、価値のある刀剣であっても安価な価格しかつかなかったり、売れ残ってしまったりする恐れがあります。
同様に、画像も刀剣を評価する重要な情報です。写真撮影の技術がないと、刀剣の状態を正確に伝えることができません。落札希望者が見たいポイントを撮影するため、刀剣に関する一定の知識も求められます。写真撮影がうまくできなかったり、画像の選び方を誤った場合も、適正な価格での売却につながらない可能性があります。
出品した刀剣が落札されると、手数料、発送料、梱包料などの諸費用が発生します。かかる費用をあらかじめ把握していないと、手元に残る金額が想定より少なくなる可能性があります。「面倒な手間をかけず、買取店へ持ち込めばよかった」と感じることもあるでしょう。
うまくいけば高く売れるオークションですが、実際に高く売れる刀剣は限られています。「落札金額がそのまま手元に残るわけではない」点にも注意が必要です。かかる手間や費用と得られる効果を比較し、利用を判断することが重要です。
出品時に気をつけたいポイントを解説します。
出品する刀剣の保存状態には注意しなければなりません。名刀であっても、保存状態が悪いと価値は下がってしまいます。状態によっては、落札されないことも考えられます。倉庫などに長期間保管している場合は、できるだけ早く売却し、専門家に管理を任せることをおすすめします。一定の知識と道具がある場合は、ご自身でお手入れを行っても構いません。ポイントは、刀剣を優しく扱うことです。力を入れすぎると、状態によっては刀剣が折れてしまう恐れがあります。
原則として、日本国内で刀剣を所持することはできません。美術品として価値があるものは、銃砲刀剣類登録証の交付を受けると所持できます。したがって、売却する際には登録証の提示が求められます。出品前に、銃砲刀剣類登録証の有無を確認しておくことが大切です。なお、登録証がないまま刀剣を所持していると、2年以下の懲役または30万円以下の罰金に処される可能性があります。
出典:e-GOV法令検索「銃砲刀剣類所持等取締法(昭和三十三年法律第六号)」
ここでは、刀剣オークションについて解説しました。刀剣オークションとは、刀や太刀などを取り扱うオークションのことです。刀剣交換会、美術品入札会、ネットオークションなどにわかれます。多くの参加者にアピールできますが、価値のわからないものや価値を正しく伝えられないものは希望価格で落札されない恐れがあります。不安がある場合は、専門家による鑑定が受けられる買取を検討するのもよいでしょう。日本刀の買取は、鑑定歴15年以上の経験をもとに、日本刀・刀剣の買取なら美観堂へとお任せください。
この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
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