茶道具とは?代表的なものの名前や使い方と茶室に飾るのに適した種類
公開日 2024/09/04
更新日 2024/11/11
茶道は奥の深い世界であり、茶道具としてもさまざまなものがあります。
例えば、親族から「茶道具を譲り受けたけれどどういったものかよくわからない」ということであれば、茶道具について理解を深めてみてはいかがでしょうか。
ここでは、茶道具について詳しく知りたいと考えている方のため、主な種類や役割などを解説します。この記事を読むことによって茶道具の具体的な種類がわかるようになるので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
茶道具といえば、お茶を立てるのに必要なものをイメージする方が多いでしょう。ですが、それだけではありません。
代表的なものとして挙げられるのは、以下の5種類です。
【主な種類】
茶室に飾る道具も茶道具の一つです。
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茶道具には、実にさまざまなものがあります。ここでは、代表的な道具の名前と役割、使い方などを解説していきます。
茶碗は抹茶をいただく際に使用する器のことをいいます。
濃茶の場合は文様が入っていないもの、薄茶の場合は文様のあるものを使用するのが一般的です。茶会では茶碗の文様を眺めて楽しみます。
冬には中のお茶が冷めにくい深いもの、夏は冷めやすいように浅いものが使われることが多いです。
薄器(うすき)または薄茶器は、薄茶用の抹茶を入れておく容器のことです。薄器の中でもお菓子の材料としても使われることがある棗(なつめ)と呼ばれる落葉高木の実に似た形のものは、その形から「棗」とも呼ばれます。
一般的には黒い漆器で作られたものが多いといえますが、デザインはさまざまです。
茶筅(ちゃせん)は、抹茶を立てる際に使用する竹製の道具のことをいいます。
濃茶では穂の粗いもの、薄茶では穂の細かいものと、穂の荒さが異なるものを使用するのも特徴です。また、流派によっても竹の種類や形状が異なります。
茶入(ちゃいれ)は、濃茶を入れるためのものです。濃茶入と呼ばれることもあります。一般的には焼きものです。
茶杓(ちゃしゃく)とは、薄器、茶入に入っている抹茶をすくうためのもので、抹茶をすくいやすいように先端は匙の形をしています。
竹で作られているものが多いのですが、象牙で作られたものや、鼈甲・木製のものもあります。
茶釜(ちゃがま)は、お茶を立てるために使用するお湯を沸かす鉄製の釜のことをいいます。
炉の種類によって使い分けられ、温かい時期に使われる「風炉」には小さめの茶釜を、寒い時期に使われる「炉」には大きめのものを使用します。
帛紗(ふくさ)とは、風呂敷のような見た目のものであり、茶道具を清める(拭う)目的で使用する布のことをいいます。裏千家では男性が紫色、女性は朱色ですが、表千家は女性が朱色です。
柄杓(ひしゃく)は水をくむための道具です。以下の3つの種類があります。
炉用柄杓 | 寒い時期に使用される炉用の柄杓。水をくむ円筒形の部分が大きめになっており、柄の一番下の部分である切止が表側で斜めに切られているのが特徴。 |
風炉用柄杓 | 温かい時期に使用される風炉用の柄杓。水をくむ円筒形の部分は小さめで、柄の持ち手側先端部分の裏側は斜めに切られているのが特徴。 |
炉用・風炉用兼用柄杓 | 炉・風炉のどちらにも使用できる柄杓。それぞれの練習用としても使われ、切止は真っすぐに切られているのが特徴。 |
茶席で使用をするための水を入れておくための道具です。茶釜で沸かしているお湯の温度の調整や、茶碗をすすぐ際などに使用します。木製のものや陶磁器、金属製、漆器、ガラス製など、さまざまなものがあります。
建水(けんすい)とは「水こぼし」または「こぼし」とも呼ばれるものであり、茶碗をすすいだ水を捨てるための器のことをいいます。
懐紙(かいし)は、お菓子を乗せる目的で使用する紙のことをいいます。男性は女性と比べると一回り大きなサイズの紙を使用します。白無地のものが一般的です。
扇子(せんす)は一般的には仰ぐ目的で使用されますが、茶道具としては挨拶や礼儀の目的で使用します。
そのため、仰ぐことはありません。小型の扇子を膝の前に置く形で使用します。
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茶道具には、茶室を飾るための道具も含まれています。ここでは、代表的な掛け軸、花入、香合、風炉先屏風を紹介します。
掛け軸は、床の間と呼ばれる部分に飾られる書や画のことです。壁に掛けられるように仕立てられています。
床の間は、和室の中で一段高くなっている部分です。神聖な場所とも考えられており、茶道における床の間は、主催者のおもてなしの心を映し出す場所ともいえます。
掛け軸にはさまざまな種類があるのですが、茶道は禅と深い関係性があると考えられることから、茶席での掛け軸には禅の文化を表すものを取り入れることがほとんどです。「一期一会」「和敬静寂」「日々是好日」などが挙げられます。
それから、茶席では筆文字書きの円の形をした図形「円相」が描かれた掛け軸が選択されることも多いです。円相は禅における書画の一つであり、欠けることのない無限や、すべてが始まりであって終わりでもあるといったことを表現しています。
掛け軸は茶室に入った際に最初に目を引きやすいものとも言えるので、特に注目されやすい茶道具といえるでしょう。掛け軸は非常に奥が深く、表している絵や書によって題材としているもの、飾るのに適した時期などが変わるので、茶会に合ったものが選ばれます。
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花入は、花を入れるための器のことであり、花器や花かごとも呼ばれます。金属製のもののほか、陶磁器、竹製などの種類があり、飾る花に合わせて変えるのが一般的です。
床の間に置く「置き花入」や、壁にかける「掛け花入」、天井から吊り下げる「つり花入」といった種類があります。
花を飾る際に重要なのが、野にあるように自然な形で飾ることです。そのため、茶会の席で花自体が目立つように飾ることはありません。そのために適した花入が選ばれます。
香合(こうごう)は、お香を入れておくための器のことをいいます。合子(ごうす・ごうし)とも呼ばれるものです。
お茶を立てる際には、茶室や亭主、客人の精神を清める目的で香を焚くので、そのために必要なお香を入れておきます。
風炉先屛風(ふろさきびょうぶ)とは、二つ折りになっている屏風のことをいいます。略して「風炉先」と呼ばれることもあり、広間の席で道具畳にけじめをつける目的で使用されるものです。
ただ、必ずしも必要なものではないため、使われないこともあります。
いかがだったでしょうか。茶道具とは何か、どういった種類があるのかなどについて解説しました。
代表的な種類や使い方などをご理解いただけたかと思います。紹介してきたように茶道具は非常に種類が多く、それぞれこだわって収集している方も多いのが特徴です。
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この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
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