コラム

人々は家や仏壇、応接室などに奇妙な木材を置くことがあります。ただの木片と感じられるかもしれませんが、これは「香木」と呼ばれ、樹木から抽出される香料の可能性が高いです。 かつては一般的に流通していましたが、時代の変遷や戦争によって資源が枯渇し、現在では高値で取引されており、場合によっては金よりも高値がつくこともあります。小さな香木のかけらでも10万円以上の価値がつくこともあります。

今回は香木の価格の高騰についてご紹介していきます。

香木とは

香木とは

香木は、樹脂中に芳香成分を含む木材を指します。香木の中には元々木材自体が芳香成分を持っているものもありますが、一般的には枯れた木などが土の中で熟成され、香りを発するようになるため、完成までには長い年月がかかります。

香木の用途

薄く削った香木を加熱して、主に香道で使用されます。香道は、東南アジアで産出される沈水香木など、様々な香木の香りを鑑賞する日本の芸道で、茶道の香り版をイメージしていただけると分かりやすいでしょう。この他にも、仏教関連のアイテム（仏像、数珠、線香、焼香など）の材料としても利用されています。

香木の種類

有名な香木には3つの種類があります。

・「白檀（びゃくだん）」

古くから数珠や扇子、仏像などに用いられ、お香としても最もポピュラーな香りの一つです。

・「沈香（じんこう）」

沈香になるまでには50年以上かかり、更に高品質な沈香になるには150年以上の歳月が必要とされています。

・「伽羅（きゃら）」

沈香の最高級品を指し、ベトナムの限られた地域でしか収穫されない非常に希少な香木です。

香木の鑑定

香木を鑑定するには、さまざまな方法がありますが、いずれも五感を駆使して行うことが重要です。

まず、外観を観察し、手に持って重さや質感を確認し、軽くたたいて内部の音を聞き、室温での香りや加熱時の香りで判定します。

さらに、伽羅の場合は口に含んで香味を感じ、喉で確認します。

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高く売れる香木のポイント

香木の種類

いずれの香木も希少ですが、特に質が高いとされる伽羅は希少な沈香の中でも特に価値が高く、小さな香木でも相当な高値が期待されます。

白檀や沈香も希少で高価な香木ですが、伽羅に比べると相場は低くなり、パロサントなど白檀・沈香・伽羅以外の香木はさらに価値が低くなります。

香木のサイズ・重さ

香木としての質が同等である場合、サイズが大きいほど高値がつきます。ただし、質に大きな違いがある場合、小さい香木よりも安くなることがあります。

香木の香り成分である樹脂は密度が高くなるほど重さが増すため、重さは非常に重要な基準となります。特に、大きさのわりにずっしりとした重みがある香木は樹脂密度が高いため、高価な買取が期待できるでしょう。

香木の状態・色

質が良く重みのある香木でも、朽ちてボロボロになっているなど状態がよくない香木は価値がやや下がってしまいます。

また、枝のような大きな塊ではなく、木片や粉のように砕かれた状態の香木は、総重量などが同じでも価値が低くなります。香木は樹脂密度が上がると色が黒ずむという特徴があります。そのため、香木の色は品質を見極める指標として用いられており、色が濃い香木は高値で取引きされる傾向があります。

香木の香り

香木の価値を決定する上で最も重要なのは、なんといっても香りの良さ・香りの強さです。

いかに大きく重く見た目の良い香木でも、香りが弱い、香りがよくない香木は価値が低くなります。

買取専門業社に頼む

価値のある香木かどうかは、素人では判断が難しいです。香木の鑑定は複雑で、専門の知識が必要です。種類や質、また業者によるそれぞれの鑑定基準によって買取価格が異なり、更に偽物や贋作が出回っているため、真贋判定も経験豊富なプロでなければ難しい状況です。

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