掛け軸の有名画家7選&価値のある掛け軸の特徴について
公開日 2024/09/04
更新日 2024/11/07
掛け軸を売却したいと考えている方に向けて、掛け軸の有名画家について解説します。
ご自身が購入したのでなければ、掛け軸の価値をはかるのは難しいことです。
しかし有名画家の作品であれば、かなり高額な査定となることも珍しくありません。
そこで今回の記事では、掛け軸の有名画家7人と、高額査定が出やすい掛け軸の特徴についてまとめました。
参考にしていただければ、掛け軸がどのくらいの金額で売却できるか予想できるかもしれません。
目次
掛け軸とは、主に床の間に飾られる日本画や書などです。
ものによっては仏壇や茶室にかけるためのものもあります。
木の軸に巻き付けて小さく収納できるタイプの巻物状であり、壁にかけて垂らすと細長い形状になります。
飛鳥時代に日本に伝わったとされており、本来は仏具として礼拝対象となっていたものです。
しかし日本に伝来してから、芸術品をより美しく見せるための手法として広まりました。
そして国内において独自の発展を遂げ、現代においても骨董品として高い人気を誇ります。
関連記事:掛け軸の種類とは?どのようなときに使うべき?形式・様式の違いまで
それでは掛け軸の有名画家について見ていきましょう。
ピックアップの基準としたのは、「高額買取が期待できる画家であること」です。
下記のような有名画家の掛け軸であれば、骨董品買取においてかなりの高額となるかもしれません。
大御所作家として知られているのが「榊原紫峰」です。
日本画の作家ではあるものの、斬新な画風において美術品愛好家の心を掴んでいます。
骨董品買取市場においても高い人気がある独創的な画風が人気の理由です。
生存は1887~1971年。
父親も日本画家があり、子どものころから画家になることを夢見ていました。
努力家である側面も影響し、大御所作家として知られるようになったのでしょう。
江戸時代中期作の掛け軸における有名画家が「伊藤若沖」です。
大作が多く、全30幅にもなる大型の作品を制作したこともあります。
画風は非常に緻密で、色彩が鮮やかで華があることから人気がある作家です。
国内のみならず国外でも高い人気を誇り、「奇想の画家」と呼ばれています。
「上村松園」は掛け軸の有名画家としては近年の方で、明治から昭和にかけて多くの作品を制作しました。
女性ならではの感性で、女性の社会的な立場の向上を目指した作品を制作したことが特徴です。
強く気品があり、凛とした女性を描いたのが上村松園。
繊細でありながら力強い画風であり、格調高い作品がそろっています。
江戸時代に写生と日本画を融合させた画風を確立させた「円山応挙」は、その時代においても高い人気を誇っていました。
当時は写生がそれほど重要視されておらず、日本画の中に取り入れたのは斬新だったことでしょう。
有名な作品は「幽霊図」であり、足のない幽霊を初めて描いた画家であったと言われています。
また当時の日本には存在しなかった虎を描いたことでも有名です。
「山口華陽」は京都市立絵画専門学校を卒業した後に、文部省美術展覧会にて入選した実績を持つ画家です。
また帝展の推薦となり、帝展に作品を出店し続けたことでも知られます。
現在の骨董市場においても高い人気を誇っている作家です。
代表作である「桃花小檎」においては、市場価格が450,000円以上と高額取引されることも珍しくありません。
「西村五雲」は明治26年に日本美術協会において入賞を果たしたことで人気が高まりました。
晩年は神経衰弱症により療養期間が設けられましたが、その後は京都市立絵画専門学校の教授として教鞭も取った作家です。
前項の山口華陽は西村五雲から師事を受けた画家。
自身は病によって作品数は少なかったものの、掛け軸における有名画家を輩出した功績があります。
現在の市場価格においては100,000~220,000円ほどですが、優れた作家であったことには間違いないでしょう。
最後にご紹介する「山元春挙」は、明治4年生まれと比較的近年の画家です。
わずか12歳で野村文挙の師事を受けており、その後は森寛斎から学びました。
掛け軸における有名画家を多く輩出した、京都市立絵画専門学校で教鞭をふるったこともあります。
しかし近年の画家であるため、骨董品としての価値は低めです。
有名な絵においても50,000円程度の査定となることが多いでしょう。
関連記事:掛け軸の飾り方の基礎知識とは?ポイントと取り扱い方についての基礎
有名画家の掛け軸であったとしても、その他の要素から掛け軸の価値が判定されることもあります。
それでは価値のある掛け軸の特徴とは、一体どのようなものでしょうか?
価値が高いと判断される傾向のある掛け軸の特徴について、3つの観点からご紹介します。
まずは有名画家が手掛けていることです。
先に解説したように、掛け軸の有名作家により制作されたものであれば、自ずと高い価値がつけられます。
特に作家の落款やサインがある場合は、作品の信憑性が高まって価値が高まるかもしれません。
掛け軸の状態が悪かったとしても、有名画家のものであれば高額査定をつけられる可能性が高まります。
有名画家のものでなくとも、希少性が高い掛け軸も価値が高いとされています。
骨董品市場にてなかなか出回らないものや時代が古いものなのです。
たとえば有名画家の掛け軸であったとしても、市場に多く出回っていてはそれほど価値があるとは判断されません。
希少性は骨董品市場において、大きなアドバンテージとなります。
全般的に言えることは、掛け軸は保存状態が良いほど高値が付けられる傾向にあることです。
掛け軸は日光にあたって劣化したり、湿気によってカビが生えたりしやすいもの。
長い年月を経ても美しい状態を保つには、保存状態や取り扱いの丁寧さが重要となります。
保存状態が良好な掛け軸であれば、著名な画家のものでなくても高額査定がつけられることもあるでしょう。
有名画家の掛け軸を売却したいと思ったときは、買取業者選びが重要です。
掛け軸の価値を判断できる鑑定士が在籍している業者でなければ、適切に買取できません。
それではどのように買取業者を選ぶべきなのか、2つのポイントをご紹介します。
まずは買取実績が豊富であることを基準として選びましょう。
実績豊富な店舗に在籍している鑑定士は、さまざまな掛け軸を見てきているはずです。
また多くの利用者を満足させられているということでもあるでしょう。
買取実績が豊富な店舗を選べば、適正な価値で査定してもらえるはずです。
関連記事:高価買取が期待できる遺品はどれ?おすすめの買取業者も紹介
続いては掛け軸に詳しい鑑定士がいる店舗を選ぶこと。
ただし掛け軸に詳しい鑑定士がいるかどうかは、公式サイトなどを調べても記載されていないでしょう。
そこで店舗自体が骨董品や掛け軸を専門的に扱っているかどうかを確認するのがおすすめ。
骨董品専門の買取業者であれば、掛け軸の価値も正確に見極められると考えられます。
いかがでしたでしょうか?
この記事を読んでいただくことで、有名画家の掛け軸についてご理解いただけたと思います。
名を知られている画家の掛け軸であれば、高額査定も期待できるでしょう。
ご自宅に掛け軸が眠っているなら、画家の名前や保存状態を確認してみてください。
掛軸の買取なら美観堂で骨董品を専門として買取を行っています。
ご自宅に不要になった有名画家の掛け軸が保存されているなら、高額買取させていただきます。
ぜひお気軽にご相談ください。
この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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