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骨董品

骨董品の値段はどうやって決まる?相場が決まる仕組みを解説

公開日 2024/07/31

更新日 2024/10/30

骨董品を売却する際、値段の決まり方を知っておくことは大切です。この記事では、骨董品の値段がどのように決まるのか、相場の決まり方や影響を与える要素について詳しく解説します。買取市場での成功を目指すために、相場の理解は欠かせません。保存状態、歴史的価値、作家の人気度など、骨董品の値段に影響するポイントを押さえて、賢い売却を目指しましょう。

骨董品の相場が決まる仕組み

骨董品の相場は、基本的に「時価」で決定されます。市場の動向や需要が高まる時期には価格が上昇し、反対に需要が少ない時は価格が下がります。流動的な価格設定は、保存状態や製造年代など、さまざまな要因に基づいて査定されるのが一般的です。保存状態が良好で、歴史的な背景を持つ骨董品は高価で取引されることが多いですし、逆に状態が悪いものは価値が下がります。これらの要素が複雑に絡み合いながら、それぞれの骨董品に値段がつけられるのです。

歴史的価値

骨董品の価値を決める際、歴史的価値は大きな影響を与えます。100年以上前に制作されたアイテムが一般的に骨董品とされ、とくに戦前に作られたものは、日本の文化的背景と結びつきが深いため、希少性から高い評価を受けやすいです。美術工芸品や民芸品としての分類は、それぞれが持つ独特の価値を反映します。たとえば、名匠による茶道具や特定の産地で作られた陶器は、製造背景や使用された材料により、一層の価値が加わります。これらのアイテムは、単なる装飾品や使用品を超え、時代の文化や技術を伝える歴史的文書としての価値を持つ重要な存在です。また、時代に特有の技法や原材料を用いた作品は再現が難しいため、高価で取引されます。

保存状態

骨董品の価値を決める上で、保存状態は無視できません。長い時間が経過しているものほど、保存状態にはさまざまな要因が影響します。たとえば、欠けや剥がれがなく完全な形を保っている骨董品は、同じ作品であっても状態が劣るものに比べて高い価値が見込まれます。このように、骨董品の状態は査定価格に直結するのです。良好な保存状態の骨董品は、買取市場においても高い評価を受けやすく、その結果、見積もり価格が上昇する傾向にあります。また、保存状態の良さが、その後の保存や展示においても重要な役割を果たします。

作者・作品の人気度

骨董品の価値において、作者の知名度と作品の人気は欠かせません。たとえば、有名な作家による作品は、名声が高いほど、市場での需要も大きいです。加藤唐九郎や三輪休雪のような著名な陶芸家の作品は、卓越した技術と美術的価値が認められ、高価買取の対象となることが多いです。また、茶道具などで家元の書付や花押が入っているものは、証明となるため価値をさらに高めます。これらの要素は、作品が市場でどれだけ評価されるかを左右し、結果として買取価格に大きく反映されるのです。

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買取対象になる骨董品の価値

骨董品の買取市場では、種類ごとに価値が異なります。掛け軸、茶道具、陶器や陶芸品など、それぞれが持つ歴史的および芸術的価値によって、買取価格が大きく左右されます。市場での需要や希少性、作品の状態や真贋の判断も価値を決定する重要な要素です。これらの骨董品が高価買取の対象になるかどうかは、専門的な知識を持つ買取業者による査定がカギを握ります。

掛け軸

掛け軸は、日本の伝統文化において重要な役割を果たしている骨董品です。作家の名声、作品の歴史的背景、美術的価値によって大きく価値が異なります。たとえば、田能村竹田や沈周などの著名な作家による掛け軸は、希少性と芸術性から高い評価を受けることが一般的です。また、掛け軸の状態が良好であれば、有名な作家の作品でなくても買取対象となる可能性があります。掛け軸の査定においては、保存状態の良さと、それがどのように保管されてきたかが重要なポイントです。これらの要素が買取価格に直接反映されるため、掛け軸の価値を正確に評価するためには専門的な知識があるプロに依頼しましょう。

茶道具

茶道具は、日本の伝統的な茶の湯文化を象徴するアイテムであり、価値は使用される素材、製作者、そして歴史的背景によって大きく異なります。石黒光南や荒川豊蔵のような著名な作家による茶道具は、技術の高さと芸術性から、市場で高く評価されています。著名な作家の茶道具は、保存状態が良好であれば、高い価格で買取されることが一般的です。買取業者は、茶道具の真贋を専門的に評価し、価値を適正に判断するために、細かな点までチェックを行います。このため、茶道具を売却する際には、専門的な知識を持つ業者を選ぶことが大切です。

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陶器や陶芸品

陶器や陶芸品の価値は、産地、希少性、製作者の名声、そして作品の形状やデザインによって大きく異なります。たとえば、瀬戸焼や備前焼、有田焼といった有名な産地の作品は、歴史的背景と製造過程の独自性から高い評価を受けやすいです。また、限定生産された品や、既に生産数が少なくなっている陶芸品は、時間が経つにつれて価値が上昇する傾向にあります。人間国宝に認定された作家による作品は、技術の高さと文化的価値が認められており、市場で高い評価を得ています。

食器

食器の買取価格は、ブランド、保存状態、そして市場での需要に大きく依存します。ロイヤルコペンハーゲン、ウェッジウッド、マイセンなどの高級ブランドは、新品未使用の状態であれば、市場で高値取引されやすいです。高級ブランドの食器は、繊細なデザインと製造過程での厳格な品質管理が評価されています。また、バカラやエルメスのようなブランドのグラス製品も、美術品としての価値を持つことがあり、完璧な状態であれば買取価格がさらに上昇します。高級ブランドの食器を売る際には、取引実績の豊富な専門の買取業者に査定を依頼することで、適正な市場価値を反映した価格で取引される可能性が高いです。

絵画

絵画の買取価格は、作家の名声、作品の種類、および市場での需要に大きく左右されます。東山魁夷や横山大観のような日本画の巨匠や、草間彌生、アンディーウォーホルのような現代アートの重要人物の作品は、高価で取引されることが一般的です。これらの作品は、美術史上の位置付けやコレクター間での評価が高いため、査定価格も相応に高くなるでしょう。絵画の買取においては、作家の活動歴や作品が創造された時期も重要な評価ポイントであり、現役の著名作家の作品は、価値が時間とともに上昇する傾向にあります。

花瓶やガラス

花瓶やガラス製品の価値は、製造者、ブランド、状態によって大きく左右されます。エミール・ガレやドーム兄弟のような著名なブランドのアイテムは、美術的価値と希少性から高い評価を受けやすいです。著名なブランドの花瓶は、緻密なデザインと独特の製法で知られ、コレクターや専門家から求められています。しかし、ヒビや欠けがある場合、これらの損傷が査定価格を大幅に下げる原因となってしまいます。そのため、花瓶やガラス製品の売却を検討する際には、状態を保つための適切な管理が重要です。不要になった花瓶やガラス製品は、早めに専門の買取業者に査定を依頼することが、価値を最大限に評価してもらうための最善策です。

海外の美術品

海外の美術品、とくに中国美術品の価値は、歴史的背景と希少性によって高く評価されます。2007年以前に中国から持ち出された美術品は、現地の法律により希少価値がさらに増しています。これらの作品が高額で取引される主な理由は、独特な美術的価値と、国際的な美術市場における需要の高さが大きな理由です。持っている中国美術品がこの条件に当てはまる場合、査定価値は高くなる可能性があります。査定を受ける際には、作品の保存状態に注意を払い、専門的な評価を求めましょう。

香木

香木の価値は、種類、樹脂の密度、香りの品質、色、および重量によって決まります。伽羅(きゃら)などの希少性が高い香木は、沈香や白檀よりも高価で取引されることが一般的です。これらの香木は、長い時間をかけて自然の力により成熟し、独特の香りを持つため、収集家や専門家から高く評価されます。香木の査定においては、見た目だけではなく、香りの質や木の質感を詳細に評価する必要があります。高品質な香木を持っている場合、保存状態にも注意を払い、適切な時期に専門の買取業者へ査定を依頼することが、価値を守るために重要です。

刀剣

刀剣の買取価格は、保存状態、作成した刀工の知名度、および銘(めい)の存在によって大きく左右されます。国宝や重要文化財として認定された刀剣、あるいは特別重要刀剣として分類されるものは、市場で高い評価を受けます。これらの刀剣は、歴史的な価値だけでなく、技術的な完璧さも求められるため、状態が良好であればあるほど高価に取引される傾向が高いです。著名な刀工による作品であれば、銘が明確であることが真正性を証明することで、価値を一層高められます。刀剣を売却する際には、これらの要素を精査し査定を行う専門業者を選ぶことが、適正価格での取引には不可欠です。

骨董品を買取に出すうえで失敗しないポイント

骨董品の売却を検討している方にとって、適正価格で買取してもらうことは重要です。価値ある骨董品を最大限に評価してもらうためには、以下のポイントを押さえておく必要があります。

  • 鑑定書や保証書を査定に出す
  • 相見積もりを取る
  • 手数料無料の買取業者を利用する
  • 保存状態に注意する
  • 自分で修復しない

鑑定書や保証書を査定に出す

骨董品を売却する際、鑑定書や保証書の存在は、価値を証明して適正な査定を受ける上で重要です。これらの書類は、作品の真正性を保証し、贋作との区別を明確にします。精巧な贋作が市場に多い中で、本物と認定された骨董品は、価値が飛躍的に向上します。鑑定書があれば、骨董品が専門家によって確認され、評価された証拠となるため、買取業者も高額での買取を検討しやすいです。したがって、鑑定書や保証書を保管している場合は、必ず査定時に提示することで、骨董品の価値を最大限に引き出せます。

相見積もりを取る

骨董品を買取に出す際に、相見積もりを取ることは、より高い価格での買取を実現するための効果的な手段です。異なる買取業者に同じ骨董品を査定してもらうことで、業者ごとの価格差を比較し、最も高い評価を提供する業者を選べます。見積もりは、骨董品の希少性や特定のコレクションへの需要が業者によって異なるため、業者間で大きな価格差が生じることがあります。そのため、複数の見積もりを慎重に比較検討することで、最適な売却結果を得られるでしょう。

手数料無料の買取業者を利用する

骨董品の売却を検討する際、手数料無料の買取業者を選ぶことは、買取価格を最大化する上で重要です。一部の買取業者では、出張査定や鑑定に際して手数料が発生することがありますが、これらの費用が買取金額から差し引かれると、実質的な利益が減少します。そのため、査定手数料や出張手数料が無料の業者を選ぶことにより、売却から得られる純利益を最大限にできます。業者を選ぶ際に、どのような手数料を課しているかを確認し、手数料無料でサービスを提供している業者を選ぶべきです。

保存状態に注意する

骨董品の買取価格は、保存状態に大きく左右されます。たとえば、ヒビやカビが多く見られると、価値の高い品物でも評価は大幅に下がってしまいます。古い物は、日々の取り扱いや保管方法がその後の状態を決定づける要因となるので注意が必要です。丁寧に保管されていない骨董品は、査定で高値をつけてもらうことが困難になるため、次の点に注意してください。直射日光の当たる場所は避け、定期的に空気の入れ替えを行い、移動は必要最小限に留め、触れる際は手袋を使用しましょう。これらの簡単な対策を行うことで、買取時に高値をつけてもらえる可能性が高まります。

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自分で修復しない

骨董品の取り扱いにおいて、自己流の修復は避けるべきです。たとえば、欠けや汚れがある場合に自分で修正を試みると、本来の価値を損なうリスクがあります。実際に、不適切な接着剤の使用などは、修復が逆に製品の損傷を招くことが多いです。専門家による修復もしくはそのままの状態での査定が推奨されています。古い物は、経年変化が価値の一部となるため、原状を保持することが重要です。もし修復が必要な状態であれば、修復専門のプロに相談し、適切な処置を依頼しましょう。これにより、骨董品が本来持つべき歴史的価値を保ちながら、適正な評価を得られます。

骨董品の値段を事前に調べる方法

骨董品を手放す前に、価値を知ることは大切です。骨董品の価格を事前に把握する方法として、主に鑑定と査定の2つの方法があります。ここでは、鑑定と査定のそれぞれの違いについて詳しく見ていきましょう。

鑑定

骨董品の正確な価値を把握するためには、専門家による鑑定が不可欠です。鑑定では、作品の年代、作者、そして真贋の確認が行われます。真贋判定は、作品が本物であるかどうかを証明するため、価値の評価において大切です。専門家が本物と認めた場合、骨董品の市場価値は飛躍的に向上することが期待できます。しかし、鑑定はあくまで作品の価値を評価するものであり、直接的な買取価格を決定するものではありません。鑑定を通じて得られる情報をもとに、買取業者やオークションでの適正な価格設定が可能となるため、売却前の鑑定は効果的な手段です。

査定

骨董品の売却を検討する際、査定は不可欠です。査定では、骨董品の年代、保存状態、作家の評価、そして付属品の有無が詳細に評価されます。鑑定によって真贋が確認された作品であっても、査定では市場の需要や現在のコレクターの嗜好を考慮し、買取価格が算出されます。査定は、単に作品の特徴を評価するだけでなく、それを市場でどのように位置づけるかを判断するための重要な手段です。そのため、適切な査定を受けることで、骨董品の価値を最大限に引き出し、適正な価格での取引を期待できます。

関連記事:骨董品の鑑定と査定の違いとは?鑑定料の相場についても解説

骨董品の相場は対象物によって変化するもの

骨董品の価値は時価、保存状態、歴史的価値、作家の人気度によって異なります。正確な価格を把握するためには、専門家の鑑定を受け、査定を依頼しましょう。骨董品を高く売るためには、鑑定書や保証書を用意し、保存状態を良好に保つことが大切です。これらのポイントを押さえることで、骨董品を適正価格で売却し、真の価値を引き出しましょう。
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この記事の監修者

監修者の写真

義村 安悟(よしむら あんご)

《経歴》

美観堂 大阪本店店長 査定歴15年

《コメント》

複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

《許可証》

古物商営業許可番号第62115R033266号



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