聖徳太子が描かれている旧一万円札の価値と高値で取引される条件
公開日 2025/04/21
更新日 2025/04/21
旧紙幣の中でも比較的よく知られているのが、聖徳太子の旧一万円札です。手元にある同紙幣の価値が気になっている方もいるでしょう。結論から述べると、流通量が多いため、一般的には希少価値は高くないとされています。しかし、一定の条件を満たすものは、高値で取引されています。
ここでは、聖徳太子の旧一万円札の価値を紹介するとともに、高値がつく条件や高値買取を実現するコツなどを解説しています。以下の情報を参照することで、保有している紙幣の価値を把握しやすくなります。
目次
聖徳太子の旧一万円札は、昭和33年(1958年)に発行された、聖徳太子を肖像とする紙幣です。昭和生まれの方にとっては、当時広く流通していたため、なじみのある紙幣とされています。ここでは、同紙幣の種類、真贋の見分け方、価値などを解説します。
聖徳太子は、紙幣の肖像として複数回採用された人物として知られています。昭和5年(1930年)発行の乙百円券から計7回、肖像として採用された記録があります。当時の採用基準は「天皇と国に尽くした歴史上の人物」であることです。ただし、この基準は軍国主義を想起させるため、日本を間接統治したGHQの方針により否定されました。しかし「和を以て貴しとなす」と説いた聖徳太子は、平和主義者として例外的な扱いを受けました。したがって、戦後の日本において、何度も紙幣の肖像に採用されたのです。もちろん、十七条憲法を制定したことや国民に広く親しまれていたことなども考慮されています。また、髭を生やしていたことで偽造を困難にする要素としても注目されました。
聖徳太子の旧一万円札は1種類のみです。ホログラムの有無による種類分けはされていません。ただし、聖徳太子は何度も紙幣の肖像に採用されています。ほかの紙幣と混同しないよう注意が必要です。参考に、聖徳太子を肖像とする紙幣を紹介します。
種類 | 発行年 |
C一万円券 | 昭和33年(1958年) |
C五千円券 | 昭和32年(1957年) |
B千円券 | 昭和25年(1950年) |
A百円券 | 昭和21年(1946年) |
ろ百円券 | 昭和20年(1945年) |
い百円券 | 昭和19年(1944年) |
乙百円券 | 昭和5年(1930年) |
聖徳太子の旧一万円札は、上記のなかのC一万円券です。同紙幣の種類は1つですが、コレクターはさまざまな違いを見出しています。これらの違いが評価額に影響する場合もあります。
聖徳太子の旧一万円札は、現在の紙幣に比べて偽造が比較的容易であったとされています。印刷技術が発達していなかったためです。たとえば、カラーコピー機で再現できない小さな文字を印刷するマイクロ文字の技術は、同紙幣の流通終了後となる平成5年(1993年)以降に導入されました。真贋を判別する際の基本的な確認点は次のとおりです。
【ポイント】
インキの盛り上がりや透かしの明瞭さは、真贋判別における重要な要素とされています。
聖徳太子の旧一万円札の発行開始日は昭和33年(1958年)12月1日、支払停止日は昭和61年(1986年)1月4日です。長期にわたり使用されていたため、あるいは発行枚数が多いため、紙幣自体には希少性は見込めないとされています。一般的な同紙幣の買取相場は10,000円程度です。ただし、額面を下回る価値になることは通常想定されていません。現在も一万円の価値がある紙幣として使用できるためです。また、一定の条件を満たす同紙幣には希少価値が加わる場合があります。具体的な買取相場はケースで異なりますが、条件によっては100,000円を超える価格で取引されることも確認されています。まずは、査定を受けて価値を確認することが推奨されます。
高額査定の対象となる旧一万円札には、次のようなものがあります。
聖徳太子の旧一万円札に限らず、紙幣の価値は状態から影響を受けます。素材に紙を使用している関係で傷みやすいためです。誰も使用していない紙幣は、査定額が上がる要因になるとされています。紙幣の状態は、ライト、太陽光などの光に透かすとよくわかります。未使用と考えられる紙幣の状態は以下のとおりです。
【状態】
上記の状態を全て満たさなくても、状態のよいものは美品などとして高い評価を受けられることがあります。使用済みのものであっても、可能な限り良好な状態で保管することが重要です。
古銭、古紙幣の買取では、原則として珍しいものが高く評価されます。製造時のミスであっても、希少であれば、高く評価されることがあります。例として挙げられるのが「福耳」と呼ばれるものです。具体的には、裁断ミスで紙幣の四隅のいずれかに切れ端がついているものを指します。紙幣に描かれている聖徳太子が福耳になっているわけではありません。福耳の価値は、切れ端の大きさに応じて変動すると考えられています。製造技術の向上、検査体制の強化により、福耳紙幣の発生確率は大幅に減少しています。聖徳太子の旧一万円札で福耳紙幣が見つかれば、額面を大きく上回る価格で取引される可能性も指摘されています。
製造時のミスの代表的な例として、「エラープリント」が挙げられます。エラープリントは、印刷時に発生したミスを確認できる紙幣です。具体的には、以下の種類などがあげられます。
エラープリント | 概要 |
ズレ | 印刷位置がずれたり、複数の印刷が重なったりしている紙幣 |
欠損 | 絵柄の一部が欠けていたり、片面が印刷されていなかったりする紙幣 |
液だれ | インキがたれて汚れている紙幣 |
めくれ | 紙がめくれたまま印刷している紙幣 |
一般的に、めくれは発生確率が低いと考えられています。種類によっては、額面を大幅に超える価格で取引される事例も報告されています。
紙幣に印刷されている「アルファベット+数字6桁+アルファベット」を記番号といいます。珍しい記番号が印刷された紙幣も高値で取引されています。一般的に価値があると考えられている記番号は以下のとおりです。
記番号 | 概要 |
ゾロ目 | 111111、222222などのように、同じ数字が並んでいる記番号。7や8のゾロ目は人気が高い |
階段 | 345678、456789などのように、数字が増えていく記番号 |
逆階段 | 987654、876543などのように、数字が減っていく記番号 |
キリ番 | 300000、400000などのように、きりがよい記番号 |
サンドイッチ | 154831、312783のように、最初と最後が同じ数字の記番号 |
記番号の組み合わせによっては、額面を大きく上回る評価額となる場合があります。
紙幣の記番号は、発行順に割り振られます。聖徳太子の旧一万円札は「アルファベット1文字+6桁の数字+アルファベット1文字」からスタートして、すべてのアルファベット、数字を使い切ると「アルファベット2文字+6桁の数字+アルファベット1文字」を使用していました。したがって、AからはじまりAで終わる記番号、ZZからはじまりZで終わる記番号は希少価値が高いと考えられています。最初に印刷されたもの、最期に印刷されたものと考えられるためです。とくに前者は、収集家の間で高い関心が寄せられているようです。これらに、珍しい番号が加わると、価値はさらに高まる可能性があります。手元にある旧一万円札の記番号を確かめてみてはいかがでしょうか。
続いて、古銭買取業者で高額査定を受けるため意識したいポイントを解説します。
聖徳太子の旧一万円札が手元にある場合は、古銭買取業者でできるだけ早く査定を受けましょう。素材に紙を使用しているため、保管中に劣化が進んでしまう恐れがあるためです。紙幣の価値は、保存状態から一定の影響を受けます。希少性が高いものであっても、保存状態が悪いと査定額は低下します。しばらく寝かせて価値の上昇を待ちたいと考えるかもしれませんが、期待どおりの結果になる保証はありません。劣化や市場価値の低下につながる可能性もあります。売却を検討している場合は、早めに行動することが推奨されます。
手元に古銭が複数ある場合は、まとめて査定を受けると買取金額をアップできる可能性があります。まとめて売ることで付加価値がついたり、買取店の業務効率が高まったりするためです。また、業者によってはまとめ売りキャンペーンを利用できることもあります。とはいえ、市場価格に基づき査定しているため、まとめ売りで買取金額が2倍、3倍になることは原則としてありません。期待できる効果は、わずかに査定額が上乗せされる程度と考えられます。
保存状態が悪い聖徳太子の旧一万円札は、買取対象にならないことがあります。お手入れをしたくなるかもしれませんが、自分で汚れを落とすことはおすすめできません。作業中にシワがついてしまったり、破れてしまったりする恐れがあるためです。素材に紙を使用しているため、軽微なミスで簡単に傷んでしまいます。また、経年変化で生じた風合いを評価してもらえることもあります。専門知識がない場合は、自己処理を控えることが望ましいとされています。
聖徳太子の旧一万円札に鑑定書が付属している場合は、これらをセットにして査定を受けることが大切です。鑑定書があると、専門家から真正品と評価されたことを証明できます。したがって、適切な査定を受けられます。価値を証明できるため、高額査定につながる可能性も示唆されています。鑑定書の例として、日本貨幣商協同組合が発行しているものがあげられます。同鑑定書は、収集用貨幣に関する日本で唯一の公式な鑑定書です。
査定をすぐに受けない場合は、保存方法に気をつけましょう。注意を怠ると、劣化する恐れがあります。保存する際に気をつけたいポイントは以下のとおりです。
【注意点】
湿度が高いとカビが生えたり、紙幣がよれたりする恐れがあります。直射日光は、黄ばみの原因です。基本的には、これらを避けることが重要といえるでしょう。保存方法で悩む場合は、紙幣専用の保管ケースを使用するとよいかもしれません。保存時の劣化や破損を防ぎやすくなります。
同じ聖徳太子の旧一万円札であっても、査定額は古銭買取業者で異なります。業者により買取後の販路や評価基準、在庫状況などが異なるためです。相場はあるものの、査定額に大きな差が生じることもあります。したがって、相見積もりを取ることが大切です。
相見積もりを取る業者の数は3社程度が目安です。業者選定のポイントは、買取実績と買取方法といえるでしょう。買取実績が豊富な業者は専門知識を有していると考えられます。買取方法は、持込買取、出張買取、宅配買取に分かれます。3つの買取方法を用意している業者は利用しやすいためおすすめです。
ここでは、聖徳太子の旧一万円札の価値について解説しました。発行されていた期間が長いため、基本的に希少価値は見込めませんが、高額で取引されているものもあります。価値の見極めには専門知識を要するため、自分で判断しないことが大切です。
古銭の買取なら美観堂にお任せください。業界歴15年以上の専門スタッフが在籍しています。
もちろん、相見積もりを取っていただくことも可能です。
持込買取、出張買取、宅配買取に対応しているため、負担感を抑えつつご利用いただけます。
この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。
《許可証》
古物商営業許可番号:第62111R051143号
美観堂買取
〒542-0062大阪府大阪市中央区
上本町西5丁目3-3ワンダー5ビル1F
|
|
|
|