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刀剣・日本刀

日本刀を売るには何が必要?査定のポイントとともに解説

公開日 2024/07/31

更新日 2024/11/01

日本刀を売却する際には、いくつかの重要なポイントと注意点があります。適切な書類の準備や信頼できる売却先の選択、さらには刀の状態を保つための日常的な手入れなど、満足できる結果を出すためには事前の準備が欠かせません。この記事では、日本刀をスムーズに売却するために必要な書類や査定のポイント、売却先の選び方などについて詳しく解説します。高価買取を目指すためのコツも併せてご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

日本刀を売る際に必要なもの

日本刀を売る際には、書類の準備が必要です。これらの書類がないと、売却はスムーズに進まない可能性があります。ここでは、重要な登録証と鑑定書について説明します。

登録証

日本刀を売却する際には、まず「銃砲刀剣類登録証」の有無を確認しましょう。この登録証は、日本刀を合法的に所持し、取引するための必須の書類であり「銃砲刀剣類所持等取締法」に基づいて発行されます。登録証は、日本刀の正式な登録番号や所持者の情報、刀そのものの特徴を詳細に記録したもので、この証明がなければ日本刀の売買は法律に抵触します。もし登録証を紛失した場合や、譲り受けた日本刀の登録証がない場合は、速やかに再発行の手続きを行ってください。また、所有者が変わった場合には、名義変更の手続きも必要です。これらの手続きを怠ると、価値ある日本刀を適正な価格で売却することは困難になるので注意しましょう。

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鑑定書

日本刀を売る際には、鑑定書の有無も確認してください。鑑定書は、刀剣の真正性、時代背景、製作者名などが記載されており、刀剣の価値を正しく評価するための重要な証明書です。「公益財団法人日本美術刀剣保存協会」によって発行された鑑定書は、信頼性が高く、取引において大きなプラスポイントです。鑑定書には、刀剣が「保存刀剣」「特別保存刀剣」「重要刀剣」「特別重要刀剣」のどれに該当するかのランク分けがされており、ランクが高いほど買取価格も上がります。鑑定書がない場合は、鑑定を依頼してから売却することをおすすめします。

日本刀はどこで売ればよいか

日本刀を売却する際、どこで売るかは重要なポイントです。適切な売却先を選ぶことで、高値で取引される可能性が高まります。日本刀の売却先には、専門業者やネットオークションなどさまざまな選択肢があります。それぞれの特徴を理解し、自分に最適な方法を選びましょう。

刀剣買取の専門業者

日本刀を売る際、信頼と実績のある刀剣買取の専門業者を選ぶことが最もおすすめです。
これらの業者は、日本刀の真の価値を見極める専門知識と経験を有しており、査定から買取までのプロセスが透明であるため、安心して取引が行えます。また、日本刀の希少性や歴史的価値を正確に評価するため、適切な市場価格での取引を期待できるでしょう。刀剣買取の専門業者は主に以下の3つの方法を提供していることが多いです。

 

宅配買取

宅配買取は、地元に専門店がない方にとっても大変便利な方法です。手続きはシンプルで、オンラインまたは電話で買取依頼を行い、必要書類とともに日本刀を梱包して発送します。専門業者は日本刀を受け取り次第、迅速に査定を行い、結果を通知してくれるといった仕組みです。この方法なら、査定額に満足すれば売却が完了し、不満ならば日本刀は安全に返送されます。全国どこからでも利用可能な点が、この方法の最大の魅力です。

 

出張買取

出張買取は、自宅や指定の場所で直接査定を受けられる方法です。専門の鑑定士が指定された場所へ訪問し、日本刀の詳細な査定を行います。この方法の最大のメリットは、直接鑑定士と対面できることです。そのため、査定プロセスの透明性が高いので安心できます。さらに、その場で買取価格に満足して売却すれば、即座に現金が支払われます。ただし、出張買取の地域には限りがあるため、利用前に確認しておきましょう。

 

持ち込み買取

持ち込み買取は、直接買取店に日本刀を持参し、その場で査定を受ける方法です。この買取方法のメリットは、鑑定士と直接やり取りができるため、査定の過程を見ることができ、納得のいく取引が期待できる点です。査定が完了し、買取価格に同意すれば、その場で現金を受け取れます。ただし、店舗に足を運ぶ必要があるため、交通の便や時間の都合を考慮する必要があります。

ネットオークション

ネットオークションは、自宅にいながら日本刀を売却できる手段として人気がある方法です。この方法のメリットは、全国の多様な購入者にアクセスできる点です。ただし、正確な刀の価値を見極められる専門家に売るわけではないため、買取価格が本来の価値に見合わない可能性があります。また、商品の説明や画像の質が販売価格に大きく影響するため、詳細な説明と高品質な画像を用意しなければなりません。ネットオークションでの取引は、トラブルにつながることもあるため、慎重に進める必要があります。

骨董品買取業者

骨董品買取業者に日本刀を売る際は、業者が刀剣の専門知識を持っているかどうかで大きく左右されます。多くの骨董品買取業者は幅広いアイテムを取り扱っていますが、必ずしもすべての業者が日本刀に精通しているわけではありません。適切な価格で買取してもらうためには、事前に業者の評判を調べ、可能な限り専門性の高い業者を選びましょう。専門的な知識を持つ業者であれば、日本刀の真の価値を見極め、適正な価格での取引が期待できます。

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日本刀の査定ポイント

日本刀を売却するなら、なるべく高く買い取ってもらいたいものです。日本刀の買取査定にはいくつかのチェックポイントがあるため、売却前に確認しておきましょう。査定の際には、刀の年代、作者やランク、サイズや種類、真贋、保存状態といった要素が重要視されます。これらのポイントを理解することで、より正確な評価を受けることができ、高価買取の可能性が高まります。

作られた時代

日本刀は、作られた時代によって大きく価値が変動することが多いです。たとえば、平安時代や鎌倉時代に作られた古刀は、美術品としての価値が高く評価されています。古刀は、製法や使用された材料、時代背景を反映しており、コレクターや専門家からの注目度が高いです。一方で、江戸時代やそれ以降の新刀は、より洗練された技術で作られており、技術の進歩や美術的な表現も査定時に重要視されます。このように、日本刀を売却する際には、作られた具体的な時代を明確にすることが、適切な価値評価へとつながります。

作者やランク

日本刀の査定において、作者とランクは価値を左右する上で欠かせない要素です。たとえば、山田浅右衛門によって評価された「最上大業物」などのランクが付けられた刀は、切れ味と美術的価値から高く評価されます。これらの刀は希少性が高く、市場での需要も高いです。さらに、作者が歴史に名を残す名工である場合、たとえば長船秀光や和泉守兼定のような刀は、起源と歴史的背景からさらに価値が加わります。しかし、作者が不明な日本刀でも、技術や保存状態が良好であれば、専門家によって高く評価されることがあります。このため、査定前には日本刀の背景を理解し、専門家や信頼できる買取業者に評価を依頼しましょう。

日本刀のサイズや種類

日本刀は、サイズや種類によって買取価格が異なります。一般的に、刀は刃長が2尺以上で、使用されていた歴史的背景も価値を左右する要素です。脇差は、短刀よりも長く、1尺から2尺未満の範囲に収まりますが、同じ長さであっても、作り手や時代によって価値が変わるため、査定ではこれらの細かい違いが重要視されます。さらに、太刀は平安時代後期から室町時代にかけて主に使用され、長さや反りが特徴的です。これらの違いは、査定を行う際に重要なポイントとなり、各種類の市場での需要と供給も価格決定に大きく関係してきます。

真作か贋作か

日本刀の真作と贋作の識別は、価値を大きく左右します。真作であれば、作者の技術や歴史的価値が評価され、高価で取引されることが多いです。一方、贋作は技術的に優れていても、歴史的背景や芸術的価値が低く評価されるため、価格が大幅に下がります。査定では、鑑定書が重要な役割を果たし、公益財団法人日本美術刀剣保存協会のような機関が発行する鑑定書には、刀の真贋を証明する重要な情報が含まれています。これにより、刀の真正性が確認され、買取価格が正当に評価されるのです。

保存状態

日本刀の保存状態は、価値を決定づける重要な要素です。良好な保存状態の刀は、年月が過ぎても元の美しさや機能を保持しているため、コレクターや骨董品市場で高く評価されます。サビや傷が少なく、刃文がはっきりしている刀は、高価で取引されることが一般的です。反対に、保存状態が悪いと、たとえ名工の作品であっても価値は大きく下がります。したがって、査定時には、刀の表面の状態、刃の鋭さ、装飾品の完全性などが細かく評価され、これらの要素が総合的に判断されるのです。

関連記事:日本刀の種類とは?鑑定区分別の売却相場も解説

刀剣の買取相場

日本刀の買取価格は、鑑定書の有無とランクによって大きく異なります。具体的には、保存刀剣は一般的に10〜100万円程度で取引されることが多いです。ここには、江戸時代までに作られた刀や、南北朝時代の著名刀工による作品が含まれます。一方、特別保存刀剣は、より良好な保存状態や見た目を持つもので、価格は30〜300万円の範囲です。さらに高価な「重要刀剣」は、100〜500万円で取引されることが一般的で、保存状態や出来が良いものがここに分類されます。最高ランクの「特別重要刀剣」は、500万円以上の価値があり、時には1千万円を超えることもあります。

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日本刀を高く売るためのコツ

日本刀を売却する際には、できるだけ高値で取引するためのポイントを押さえることが重要です。適切なタイミングで売却し、付属品を揃えておくこと、そして日頃の保管方法に気を配ることが、価値を最大限に引き出す秘訣です。ここでは、具体的なコツを見ていきましょう。

できるだけ早く売却する

日本刀の売却を考えているなら、状態が良いうちに早めに行動に移しましょう。日本刀は鉄でできているため、時間の経過とともに錆びる可能性があります。錆びが進行すると、刀の価値は大幅に低下し、修復には高額なコストがかかります。そのため、刀身がまだ美しい状態のときに売却することで、より高い価格での取引が期待できます。市場の需要が高い時期を見計らい、専門の買取業者に早めに相談することが、最適な売却タイミングを逃さないための秘訣です。

付属品を揃えておく

日本刀を売る際には、刀本体だけでなく、付属品を揃えることが重要です。柄(つか)、鞘(さや)、鍔(つば)、鑑定書や登録証といった文書類が揃っていると、価値は大きく向上します。これらの付属品が完備されていることで、日本刀の真正性や保存状態が証明され、買取価格が上がる可能性が高まります。査定に出す前に、これらの付属品が欠けていないかを確認し、可能であれば元の箱や保護材料も一緒に提出すると良いでしょう。

適切に保管する

日本刀を保管する際は、環境や方法に細心の注意が必要です。まず、直射日光や湿度の高い場所を避け、温度変化が少ない場所を選びましょう。刀剣用の専用ケースや掛け台を使用することで、刀を安全かつ適切に展示することが可能です。また、錆を防ぐためには、定期的に専用の油を塗布し、ホコリを取り除きましょう。これにより、刀の保存状態を良好に保ち、将来的に高価での売却が期待できます。さらに、刀を触る際は手袋を着用するなど、直接肌が触れないよう配慮することも大切です。これらの保管方法によって、日本刀の価値を長期にわたって維持し、適切なタイミングでの売却を実現しましょう。

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日本刀を高く売るために知っておきたい保管方法

日本刀の価値を維持するためには、適切な保管が不可欠です。保存状態の良し悪しで売却時の評価が大きく変わるため、日頃からのケアが求められます。適切な保管方法を実践することで、日本刀の美しさと価値を長期間維持し、高値での売却を目指しましょう。ここでは、具体的な保管方法について詳しく解説します。

環境や置き方に配慮する

日本刀の保管は、環境と置き方に注意しましょう。刀は水平に保管することが肝心であり、刀を立てかけることは避けてください。立てかけると、刀の油分が下に流れ、刃元に溜まり錆の原因となってしまいます。また、保管の際には拵えではなく、白鞘に入れてください。白鞘は漆が塗られていないため、刀身の通気性が保たれ、錆びにくいです。日本刀を保管する際は、これらの小さな配慮が、大きな差となって現れます。

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定期的に手入れする

日本刀の美しさと機能を維持するためには、定期的な手入れが不可欠です。刀身に付着した油分は、時間が経つにつれて酸化し、錆の原因にもなり得るため、この油を定期的に新しいものに交換する必要があります。使用するのは、防錆効果が高い丁子油です。古い油を丁寧に拭き取った後、新しい油を薄く均一に塗布してください。この手入れは、湿度の高い春と秋に行うことが望ましいです。適切な手入れを怠ると、刀は徐々に輝きを失い、価値も下がってしまいます。手入れを怠らずに、日本刀の価値を守る努力を続けましょう。

錆びた場合は専門家に依頼する

日本刀が錆びてしまった場合、専門の研師に修復を依頼することが最も賢明な判断です。錆は放置すればするほど刀身を侵食し、修復が困難になるだけでなく、刀の価値も大幅に低下します。研師は、日本刀の細かな紋様や特徴を損なうことなく、錆を除去し、刀の美しさを回復させる技術を持っています。自分で錆除去を試みると、刀の重要な特徴を誤って消し去ってしまうリスクがあるため、専門家を頼るべきです。適切な手入れと専門的な修復により、日本刀は輝きを保ち続けられます。

鉄砲刀剣類登録証がない場合は売れない

国内で日本刀を売買する際、鉄砲刀剣類登録証の提示が法律で義務付けられています。もし登録証を紛失した場合、再交付を受けることが可能です。再交付手続きは、元の登録が行われた都道府県の教育委員会に連絡を取り、必要な手続きを行うことから始まります。手続きには、身分証明書や登録時の情報が必要とされ、手数料が必要ですが、これによって合法的に販売が可能です。再交付された証明書は、刀の合法的な所有権を証明し、販売や譲渡を安全に行うための重要な書類ですので大切に保管しておきましょう。鉄砲刀剣類登録証がなければ、どれだけ価値ある日本刀も正式な市場での取引は許可されませんので、売買の前に必ず確認しておくべきです。

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日本刀を売る際は登録証の確認をしておきましょう

日本刀を売却する際には、登録証や鑑定書の準備が必須です。適切な売却先を選び、適切な保管と定期的な手入れを行うことが、価値を高めるために重要です。また、正式な市場で取引するためには鉄砲刀剣類登録証が確認されなければなりません。これらのポイントをしっかり把握し、計画的に売却を進めることで、日本刀の真の価値を最大限に引き出しましょう。
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この記事の監修者

監修者の写真

義村 安悟(よしむら あんご)

《経歴》

美観堂 大阪本店店長 査定歴15年

《コメント》

複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
また、遠方にお住まいのお客様からのご依頼も多い中、出張買取を通じて、さらにお役に立てるよう努めてまいりますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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