刀剣のお手入れ方法とは?注意点とともに解説
公開日 2024/07/31
更新日 2024/11/01
刀剣の美しさを維持するには、正しいお手入れ方法をしっかり押さえておきましょう。
刀剣は高価な美術品として需要があるため、将来的な売却も踏まえて、こまめに管理をしておくことをおすすめします。
本記事では、刀剣のお手入れ方法について、使う道具の種類や注意点なども含めて解説します。
目次
刀剣を良い状態で保管するには、定期的なメンテナンスが必要です。家にある掃除道具を使って簡易的に済ませようとすると劣化の原因になります。自己流ではなく専用のお手入れ道具を用意するようにしましょう。日本の気候は湿気が多いため、サビ対策も必要です。
また、日本刀を所持するには、許可証が必要となるため、法律にしたがって手続きも忘れずに行いましょう。
関連記事:日本刀を所持するのに許可は必要?銃刀法の詳細や持ち歩く際の注意点
刀剣をお手入れする際は、いくつか道具を用意しておきましょう。
目釘(めくぎ)とは、茎(なかご)が柄(つか)から抜けないように固定するための釘です。目釘抜きとは、目釘を抜くための道具です。真鍮製で柄の長い小さな金づちのような形をしています。刀剣の柄(つか)を外して鞘(さや)を抜くために、目釘抜きを使って目釘を抜きます。
拭紙(ぬぐいがみ)とは、刀身に付着した古い油や打粉を取り除くための道具です。
素材は、上質の和紙で吸油性が高い特長があります。よく揉んで柔らかくしてから使います。
刀身の油を除去するために使用する粉です。棒の先端に丸めた布が付いていて、布の中に砥石の微細粉が入っています。この棒で刀を軽くポンポンと叩くことで古い油を取り除くことができます。打粉がない場合は、メタルクリーナー、ベンジンなどを代用として使うこともできます。
サビ止め効果のために良質な丁字油を使ってメンテナンスをします。刀身に直接空気が触れないように油の膜を作ることで、錆の発生を防ぎます。3ヶ月に1度、油を塗布すると効果的です。
油を染み込ませるための布です。別名「ネル布」と呼ばれています。メンテナンスの最後の仕上げで、刀に丁子油を塗布する際に使います。
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刀剣をお手入れする際は、以下の順序で行います。
刃側を横向きにして置きます。目釘抜で目釘を抜いて柄を外して鞘を抜きます。柄(つか)の部分に納まっている茎(なかご)、切羽(せっぱ)、鍔(つば)、鎺(はばき)を外します。
次に、刀身の茎の部分を持って拭紙で古い油をふき取ります。続いて、打粉を刀身にポンポンと叩いて油を除去します。その後に、打粉と油を拭紙でふき取ります。この工程を2,3回くりかえして油を取り除きます。古い油の除去ができたら、油布で刀身油を刀に塗ります。
刀身の茎を持って鎺(はばき)と柄を装着します。柄の部分を持って目釘を差し戻します。
刀身を鞘に納めてお手入れ完了です。
刀剣を扱う上で知っておきたい、主な名称をまとめておきます。
※刀剣の部位の名称
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お手入れのタイミングや掃除方法について注意点を抑えておきましょう。
刀剣は、湿気によりサビが生じやすいため、頻度は3か月に一度が適切です。研いだばかりの刀はサビびやすくなるため、適切な頻度で行いましょう。
適度なメンテナンスは、刀剣の劣化を防ぎ、長く美しい状態を保つことができます。愛刀家であれば、お手入れも趣味の一環として楽しめる方も多いでしょう。
もし、定期的な管理が負担で、良い状態で保管できない場合は、骨董品専門店へ相談すると、鑑定後に買取してもらうことができます。
打粉には、磁石の細かい粉末が入っているため、大量に使用すると刀身を傷つけてしまいます。ポンポンと軽くたたく程度で、過剰に使用するのは避けましょう。
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刀剣を良い状態で保管するためには、取り扱い方や、登録証と鑑定書の保管について確認しておきましょう。
拵(こしらえ)とは、刀の外装のことです。拵(こしらえ)自体は、大切に保管できていれば希少性の高い骨董品として刀剣とセットで価値が高くなる品物です。
ただし、拵(こしらえ)の内側が汚れていたりすると、せっかく研いた刀剣が、汚れて傷ついたりすることもあります。拵(こしらえ)が古く劣化している場合は、別々に保管することをおすすめします。
刀剣の置き方は、必ず横向きに置きましょう。縦に立てかけると下部分に圧力がかかって曲がってしまうこともあります。また、倒れたときに傷ついてしまう可能性もあります。
刀剣を管理する際には、「登録証」や「鑑定書」を一緒に保管しておきましょう。刀剣を所持するには、「銃砲刀剣類登録証」と一緒に保管することが法律上で義務付けられています。また、鑑定書は、売却する際に査定士がその価値を正しく判別するために役立つ書類です。もし、鑑定書がある場合は、登録証と一緒に大切に保管しておきましょう。
日光と湿気に弱いため、保管場所は風通しの良い直射日光の当たらないところが適切です。ただし、乾燥しすぎないように湿度コントロールに気を付けましょう。
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刀剣は、丁寧にお手入れをしないとサビで劣化しやすくなります。3か月に一度のメンテナンスを習慣づけましょう。もし、管理が難しい場合は、骨董品専門店に刀剣の扱いについて相談をしてみましょう。
美観堂は、骨董品・古美術品の買取のプロがお客様一人一人のご相談に丁寧に対応しています。手入れがなかなかできずに眠っている、刀剣や日本刀の高価買取は美観堂までご連絡ください。経験豊富な査定士が適正価格で買取を致します。
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この記事の監修者
義村 安悟(よしむら あんご)
《経歴》
美観堂 大阪本店店長 査定歴15年
《コメント》
複数の店舗で店長としての経験を活かし、身の回りのさまざまなジャンルのお品物を丁寧に査定しています。特に古美術品の買取においては、作品の歴史や芸術的価値、作家や時代の背景を考慮して査定を行っており、状態だけでなく市場の動向を踏まえ、公正で適正な価格設定を心がけております。
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